七色星団さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

七色星団

七色星団

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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

13年ぶりに社会へ戻ってきた男が直面する素晴らしき世界と残酷な世界。

普段は気の良いおっちゃんだが、一旦スイッチが入ると抑えの効かない凶暴性も見せる主人公・三上。
殺人の罪で収監され刑期満了で出所す
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

3.7

主要登場人物達の一挙手一投足、その細部まで見逃すな。
そう観客に訴えかけてくるような映画で、ストーリー的にハラハラするような仕掛けがある訳ではないのに、目の当たりにする役者達の真剣勝負に息を呑んでしま
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.9

前作でのロイ・バッティ一味の悪夢以降、何度も反乱を起こした旧型から改良を重ねて寿命制限は無くし、より従順性を増した改良型レプリカント=ジョーが本作の主人公。

前作から約30年経った2049年、作られ
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.9

分けて書くの面倒くさいので、オリジナル公開版、ディレクターズ・カット版も引っくるめての感想です。

ブレードランナーを初めて見たのはデッカードのモノローグ入りver.であるオリジナル公開版のビデオカセ
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

2.0

目が覚めたら野っぱらに放り出され、訳も分からずハントされる側の混乱を描いた序盤から中盤までは中々に引きこまれました。
この物語を引っ張っていくのは誰なのか?脳内で勝手に主役設定となった人物が次々と退場
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.7

もはや同じ人間であることが疑わしいレベルのガル・ガドット姐さん。
そんな彼女をただひたすら愛でることがワンダーウーマンの正しい楽しみ方。
スーパーヒーローは格好良くてナンボなので、手足の長さを活かした
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.8

冒頭から使われるキーワード
「しょうがない」
僕も若い頃から何かを諦める時に使ってたけども、たった一言で前向きの気持ちや情熱さえも奪ってしまう呪いのような言葉でもあったんだなぁ。

その"しょうがない
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

4.0

僕は主人公であるジョン・メイというキャラクターを凄く気に入っている。
観客を笑わせようとしていないのに、彼の立ち居振る舞いはどこかユーモラスでクスッときてしまう。
信号待ちの交差点での彼の立ち姿なんて
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

家族が
「怖いの観た〜い。」
って言うのでメインビジュアルが印象に残ってた本作をチョイス。だけど本編スタートして10分経ったくらいで
「ちょっと、これムリかも…」
と言い出してカミさんが離脱した映画。
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.5

吃音症により他者と上手くコミュニケーションがとれない志乃と、楽器は弾けるが音痴であることにコンプレックスのある佳代。そんな二人が次第に互いの距離を縮め打ち解け合っていくくだりには、数十年前に僕自身にも>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.0

映画を観る前に先ずはTVシリーズの26話をイッキ見。尚、漫画は読んでません。

泣きましたね、これは。

なるほど。
俺が俺がと他人を押しのけて成功を勝ち取ろうとする物語ばかりの昨今。
本作の主人公・
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.2

登場人物の心情をセリフで補間せずに、繊細で緻密な作画と音楽、効果音の相乗効果でアニメーション表現の領域のステージを上げた作品。

冒頭の歩くリズムで響く靴音に始まり、目線や口元、仕草など、登場人物達の
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ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

4.0

バイキング一族直系の男の子、それが主人公のヒック。
威勢だけは良いけど何をやっても空回りで、友達からも役立たずの烙印を押される上に、仲間から絶大な信頼を置かれる偉大な父からは叱咤激励ではなく、
「無理
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E.T.(1982年製作の映画)

4.3

先日の金ローで久し振りに綺麗な涙を流して、更に手持ちの円盤で追いE.T.

40年近く経った今でも人の心を離さない魅力の源は、この映画か宇宙人との交流という体を取ってはいるけど、普遍的な事を描いていて
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.2

生まれ来る子どもへの望みが遺伝子操作により叶い、(金さえ積めば)”最高傑作”さえも生み出すことが可能な未来。

主人公のビンセントは遺伝子操作のない自然出産で生まれたが、生まれた瞬間から生育過程での病
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.5

何か凄いものを観てるような気にさせる大作然としたパッケージングが秀逸で、映像、音楽、音響の三位一体で魅せるクリストファー・ノーランの手腕は流石の一言。
特に時間の順行・逆行を一画面の中に収めつつ展開さ
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.0

「あの人、昔はそりゃあ凄かったんよ。」

皆そう言う伝説の人。
いますよね、そう語り継がれる人が。
でも僕らの知る限り、確かに怖いと感じることもあるけれど、イマイチ戦う姿に凄みが欠けてたり、家族のこと
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.0

爆炎と硝煙で愛を包んだ、行って帰るだけの血みどろロードムービー。

映画館で観ていた間ずっと脳内に色んな分泌物が出ちゃって、観終わった後は頭が痺れちゃったヤツ。
それにしても映画史において人気作品を元
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.8

桐島というスクールカーストの頂点に君臨する男が部活を辞めるという。
学校内に突然起こった小さな変化。だけど、そこから広がる波紋に右往左往するスクールカーストの上位にいる(と勘違いした)生徒達と、逆にそ
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ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.8

ヤンチャ空手道場、コブラ会の道場生と女で揉めて人生終わりかける少年ダニエル。
だが沖縄出身の空手マスターとの出会いから揉め事の解決と、揉めるきっかけとなった女の子ともキャッキャな輝ける人生を手に入れる
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

3.7

「まるで安っぽいメロドラマだ。」

好意を寄せ合う高校生、風間とメルに”あること”が判明したことを受け、風間が言う台詞。
その”あること”の真相は最後に明かされるけど、登場人物の芝居がかった台詞回しや
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死霊館(2013年製作の映画)

3.6

普段ホラー系の映画を観ない分、耐性が無いだけに余計に恐かったです。

家に何かが取り憑いていて、何も知らずに越してきた家族にその何かが襲いかかるという、由緒正しき王道のストーリー。

少しずつ増えてく
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BARに灯ともる頃(1989年製作の映画)

3.7

う〜わ、なんか分かるぅ。
久し振りに会う父と息子の微妙な距離感描写が絶妙過ぎて、モゾモゾしちゃうよ。
という映画。

時と共に明らかにすれ違ってる父子の生活、価値観。
なのにこうあって欲しいと願う親の
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.2

顔も知らぬ男に見初められ、広島の呉へ嫁ぐことになった少女すず。
第二次大戦中〜終戦までを広島でのすずのユーモラスな日常を軸に、日々の些細なことに喜びを見出しながら、強くたくましく生きる市井の人々の生活
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.9

公開当時はホラー版「小さな恋のメロディ」なんて言われてた気がしますが、そんな括りでは終わらない作品です。

実はこの映画、公開当時から2つのミスリードにより
”これは如何なものか?”
と一部で批判を集
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秘密と嘘(1996年製作の映画)

4.0

RAKUTEN TVで配信されてるのを知って公開以来の鑑賞。

この作品は物語自体に仕掛けや謎解き要素がある訳ではなく、
”人間生きてたらこれぐらいの事はあるよね”
という傷や、指先に刺さったトゲのよ
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

2.5

バットマン
「お前の母ちゃんの名前…マーサ…なのか?」
スーパーマン
「あぁ。まさか…お前の母ちゃんの名前も…」
バットマン
「あぁ、マーサだ。」
スーパーマン&バットマン
「「よぉーマジか!」」
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.5

当時流行っていて、今や古い言い回しだけど
”全俺が泣いた!”
んです、この映画には。

映画の冒頭から娘との幸せな日常と、その後の娘の死までをサクサクと見せて、
あぁ、そんな過去があったのね。ルイーズ
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ヒート(1995年製作の映画)

3.5

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの歴史的、夢の共演。

犯罪のプロと、それをとっ捕まえるプロ。
後に続く映画作品にも影響を与えたであろうプロの仕事っぷりのスタイリッシュな描写。
”俺達はお前達を知
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

3.9

障害、いじめ、自殺と中々に扱いの難しいテーマで全体が構成されてるし、コミュニケーションの難しさや自分自身を受け入れるもどかしさに苦しむ登場人物同様、僕ら視聴者も精神的なパワーを必要とする映画でした。>>続きを読む

宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.8

会話や表情・仕草から登場人物達の関係性を示す秀逸な序盤に惚れ惚れするし、トライポッド登場から中盤までの人類追い詰め展開はハラハラが過ぎるよ!ってぐらい怖い。
流石ジョーズやジュラシックパークで世界中の
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.3

飄々として掴みどころが無いけど、どこか人を惹きつける不思議な魅力を持つ男、囚人アンディの話。

ジャンルは本来なら”脱獄もの”と括られるような映画だけど、囚人仲間との友情を軸に、無実の罪で投獄されたア
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.5

ひょんな事から亡くなった実の姉のフリをして、昔の初恋の男と文通する事となった松たか子演じる裕里のコミカルな日常パートはクスクスくる。そして、中盤以降の重くなりそうなストーリー展開でもあまりウェットにな>>続きを読む

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)

4.1

ある田舎町で起こった殺人事件の被害者と加害者、その家族、政治と宗教に焦点を当て、どの立場にも肩入れせずに淡々と描き、死刑制度の是非も問う。

何と言っても主演の二人。
威勢だけで小心者のクソ野郎を完璧
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.6

どんでん返し映画の良作を久し振りに観た。

大人気小説の多言語同時出版の為に集められた各国の翻訳家たちのキャラクターや、今回の翻訳作業に携わることになった経緯をコンパクトに紹介しつつ、優雅で窮屈なシェ
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.4

「愛は時空を超える。」

映画中盤でのアン・ハサウェイ演じるアメリアから語られるこの言葉に映画が描きたかった事が集約されている。

インターステラーには本当にヤラれた。
この映画は家族で観に行ったのだ
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