Toshimiさんの映画レビュー・感想・評価

Toshimi

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大いなる不在(2023年製作の映画)

4.5

物語構成、俳優、テーマ、三拍子揃った映画。観る度に発見がありそうです。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

韓国から移住、アメリカで育つことになった女性と韓国で育った普通の男性の心のすれ違い、解離を通じて今の韓国の、家父長制的な中で育った男性の生きにくさや社会の中での個として弱さが鮮烈に描かれている。これは>>続きを読む

カムイのうた(2023年製作の映画)

3.5

アイヌ神謡集の知里幸恵の伝記的映画。丁寧に作られているが、電物にありがちであるが、もっと切り詰めメリハリのあるストーリー展開であって欲しかった。清水美砂は好きな俳優であるが、この配役も使い切れず。どう>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

2.5

画の感じはけっこう好きなタイプだけど、物語がいただけない。原作はけっして古い時代じゃないみたいだけど、すでにテーマが古い。女性の性的自己決定について今更感があるし、フランケンシュタインのモチーフという>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

淡々と充足を知る男の生き方として描かれている。しかし、一方で
彼の周囲には若い人たちが集まり、それぞれが時代の危機感を象徴している。何故彼を慕うのか。それは彼が若者に寄り添う人だから。彼は時代の危機を
>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

複数の社会的テーマがストーリーに組み込まれているが、無理なく展開されているので、引き込まれる。

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

アイヌの生き方が北海道の冬の自然のなかで描かれていて美しい。登場人物造形も漫画のイメージを壊さず実写化している。とくにアシリパの山田杏奈がいい。「山女」に出ていた俳優さん。

白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

4.5

切ない映画。香港に逃れ第三国に移る機会を待つパキスタン難民の厳しい生活が描かれる。それでも生活費が支給されていることに驚く。放置されながら労働を禁止される日本の難民よりも待遇はよさそうだ。とはいえ、強>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.5

核兵器保有でパワーバランスを取ろうとする日本。強烈な皮肉にしたいというメッセージは理解できるが。原子力潜水艦と通常動力の潜水艦、海自と米軍、大きなスケールの映画だけど、物語から緊張が感じられない。おそ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.5

ゲーム(シミュレーション)からプロレーサーが誕生していたなんて知らなかった。誇張はあるにせよ、常識を破るには野心だけではなく「夢を見る力」が必要なことを伝える映画。この映画の主人公はヤンではなく、夢を>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.5

大阪弁のセリフは聞き取れないことがあったが、最貧困地区を舞台として小気味良いリズムで展開し、時間を忘れた。登場人物たちが抱える悲惨な生い立ちや高齢者を狙う特殊詐欺の手口などが鮮やかに織り込まれている。>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.5

最初のシーンだけでもお金を払った価値あり。

春に散る(2023年製作の映画)

4.0

意外性はまったくないストーリー展開だが、キャラクターそれぞれがうまく噛み合っていた。最後のボクシング試合はリアルで見応えがあつた。

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.0

フランツ・ファノンを彷彿させる映画。またトニ・モリソンの「Beloved」も重なった。フランスの内なる植民地主義が続いていることを突きつける映画。二人の黒人の表情が美しい。

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

閉ざされた共同体のなかで起こるレイプ事件という設定自体が恐ろしいが 、比喩的に捉えてみると、同様の共同体は様々に存在する のかもしれない 。その共同体の中で 抑圧され、自らの声を奪われていたた女性たち>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人物造形、中途半端な感じが拭えない。とくに校長先生役。俳優の力量に頼り過ぎていないか。「人物の表層」だけでよいということかもしれないが。それにしては孫の事故で留置所にいるオットセイまで登場させている。>>続きを読む

同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

4.0

観念的な作品で母娘の共依存を描いていて、聖母的な母親像への異議申し立てと言える。ストーリーの縦軸に車の急発進が故意か事故かを据えてサスペンス風に展開するが、うまく作用しているとは言い難い。しかし監督は>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.0

地方の閉鎖性、それゆえの残酷さを取り上げた映画はこれまでもあったが、その閉鎖性のバックボーンとなる「伝統(この映画では能)」を取り込みながら、過疎がすすむ地方の行き詰まりを描く。産業廃棄物処理施設を誘>>続きを読む

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.0

丁寧に作られているし、役所広司、菅田将暉には引き込まれるが、ストーリー構成があまりにも冗長すぎる。宮沢賢治の生涯に引きずられすぎたのか。また宮沢賢治の作品と重ねた台詞が人物から解離している感じを受けた>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

北アイルランド固有の政治的背景への理解が乏しくてもこの映画は教育のあるべき姿を十分にしめしている。これがドキュメンタリーだということに驚く。子どもたちもさまざまな問題を抱えているし、政治的暴力の連鎖は>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.0

実話を基に制作された映画。 テンポ良くユーモラスに物語は進み、フランスの移民政策の一端を知ることができる。 政策だけでは共生は実現しない。フランス人の共生への意思があって法律が活きるのだろうが、その意>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

4.0

南北朝鮮が休戦状態である ということを確認して観るべき。 脱北者へのいじめと監視。それは当然 スパイ容疑と重なるものである。経済的に繁栄した韓国は多くの脱北者を抱え込む社会でもある。一人の脱北者と格差>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

4.0

韓国映画は 二つの軸足を持っている。 一つは急激な 経済成長 に伴い格差社会 にはびこる 拝金主義と権力主義を描く映画。もう一つの軸足はそれに抗うような人々を描く映画。経済成長以前から大切にしてきた価>>続きを読む