ユーキさんの映画レビュー・感想・評価

ユーキ

ユーキ

関心領域(2023年製作の映画)

3.8

アウシュビッツ強制収容所のそばで、幸せに暮らす所長一家の話。

そこで何が起きていたかを丁寧に説明する事はなく、環境音や登場人物達の振る舞いによって想像させる作り。

他人事だとは思わず関心を示さなけ
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アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

4.2

ユーゴスラビアの激動の歴史を、ドキュメンタリーではなくエネルギッシュな劇映画として見事に仕上げた一作。

親しい家族や友人達が、歴史に翻弄され、愛し合い、裏切り、時には殺し合う。

凄惨なだけではなく
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.2

ユーゴスラビアの激動の歴史を、ドキュメンタリーではなくエネルギッシュな劇映画として見事に仕上げた一作。

親しい家族や友人達が、歴史に翻弄され、愛し合い、裏切り、時には殺し合う。

凄惨なだけではなく
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

タイトルは『根っからの悪人はいない』『自然は善悪を超越した存在』という意味で捉えたけど、巧が高橋を殺そうとした理由が分からない。

「鹿は人間に危害を加えない」という発言が嘘になってしまったから?
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伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)

4.0

なるほど、これが皆殺しの富野🤔

クライマックスの展開は『2001年宇宙の旅』ぽい。

また満員の客席は、中高年男性ばかりだった。

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.7

人間ドラマパートがヌルくて冗長。
もっと怪獣プロレスを見せてくれ。
新モンスターの魅力や選曲のセンスもイマイチ。

クライマックスのバトルはさすがに力が入っており、中でも無重力バトルは新鮮味があってよ
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.1

ロシアによるウクライナ侵攻。
その最前線であるマリウポリで、混乱と絶望を目の当たりにしていたカメラマンによるドキュメンタリー。

本作鑑賞直後に見たゴジラxコングとの落差にクラクラ。
破壊と殺戮は想像
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インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

インディ・ジョーンズシリーズ、第3作目。

物足りない部分もあるけれど、テーマソングがかかると問答無用で盛り上がっちゃう。

ハリソン・フォードやショーン・コネリーに加え、少年時代のインディとしてリヴ
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

3.9

監督ハワード・ホークス&主演ジョン・ウェインの、王道西部劇。

保安官チームが、アコギで同じ歌を楽しみ、親交を深めるシーンがいい。

スタンピーのコメディシーンは劇中でいいアクセントとなり、劇場内に笑
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少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

イスラム教的な価値観により、男尊女卑や家父長制が社会に蔓延する近代のサウジアラビアを舞台に、それらの抑圧を打ち破る象徴として、自転車を手に入れ乗ろうとする女の子の話。

子供は親の背を見て育つというけ
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キートンの蒸気船/キートンの船長(1928年製作の映画)

4.0

バスター・キートンの古典。

終盤の暴風雨コントが見もの。
ジャッキー・チェンやザ・ドリフターズ、或いはアメトーーク!の巨大扇風機芸の元祖とも言える。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

人類自身を絶滅できる兵器を作り、世界を不可逆的に変えてしまった科学者の、栄光と罪。

1回の鑑賞では理解できない程の、主要登場人物の多さとストーリー展開。

それでも、編集力と画と音の迫力によってスク
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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版(1968年製作の映画)

3.8

ゾンビ映画の記念碑的作品。

悪意のある人間や足を引っ張る人間のほうが、ゾンビより恐ろしい。

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.8

ゾンビ映画の記念碑的作品。

悪意のある人間や足を引っ張る人間のほうが、ゾンビより恐ろしい。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

幼少期の頃に想いあっていた男女の、24年越しの再会。

タイトルの通り、過去に生きる心情。

人生にもしもは無いけれど、過去をやり直せるとしたらどうするだろうと考えてしまう。

また分別のつく大人にな
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

視界いっぱいの砂漠や巨大建造物が、IMAXの巨大スクリーン映え。

また夕日や砂嵐の中など照明が不足しがちなシーンも多いので、ドルビーシネマとの相性も良い。

オースティン・バトラーのサイコ演技、存在
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

52ヘルツで鳴くクジラの鳴き声は、他の仲間には聴こえない。

その孤独なクジラの鳴き声が、苦しさや寂しさを抱える、劇中の人々の心の叫びに例えられている。

自己中な近親者に自尊心が削られ人生を食い物に
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アフリカン・アメリカンがエンタメ業界で置かれている現実に対する、皮肉的な一作。

白人の罪悪感を軽減するために、黒人が黒人らしく振る舞い偏見を強化する作品が求められている。

当人である黒人作家たちが
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

アメリカ人兵士とアフガン人通訳を主人公にした、タリバン支配地域からの脱出劇。

一見アメリカ資本によるプロパガンダでヒロイック的な話に見えるけど、それよりは立場を超えた対等な友情や報恩の精神の方を感じ
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.9

期待されてるいつものマブリー💪🏼

話運びがもたつくとすぐアクションが挟み込まれるので、退屈する暇が無い。

3人のヴィランはそれぞれに個性的だけど、國村隼の使い捨ては勿体無いので再登場して欲しい。
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.8

高慢で自分勝手な気象予報士が、田舎町での2月2日をループする状態に置かれることにより、他人を幸福にする事に目覚め人格が磨かれていく話。

タイムループ×ラブコメの佳作。

でもピアノ教室をクビになった
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

雪山の山荘での転落死。
それは事故か、父親の自殺か、母親による殺人か。
その裁判を、遺された子どもの親権争いに重ねて描いた映画。

見る人によって真実は幾つにも分かれる。
しかし、決定的な証拠がなく確
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クイーン:ロック・モントリオール1981(1981年製作の映画)

4.3

レギュレーションとして発声&スタンディング可能上映だった事も手伝い、まるでライブ会場のような盛り上がり。

(スクリーンに光や影が映り込むのと、視界でチラチラされると気が散るので、個人的にはサイリウム
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

原作マンガは昔サラッと読んで、アニメはながら見した程度。

映画としてはキャラクター性に頼った作り。
両サイドの観客は泣いていたので、今作までの過去のドラマに思い入れのあるファンにとっては、名作だった
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

現実と妄想が混ざり合う、悪夢のような帰省。

毒親な母親とそれに怯える息子の愛憎が明らかになるクライマックス。

アリ・アスターの頭の中がどうなってるのか見てみたい。

正直179分は長過ぎるので、キ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

PMSやパニック障害、介護や子育て。
人が抱える問題や苦しみは様々だけれど、互いを知る事で優しく助け合う事は出来る。
お互い様の精神。

目の前が不安で真夜中のようであっても、夜空の先には同じように考
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.3

4Kレストアされてるだけあり、絵も音も良い。

何度も椅子から立ち上がり、踊りたくなった👯

「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ(2024年製作の映画)

3.8

隣席ガチャに敗れ上映中にスマホをイジる連中にウンザリしたけど、ブロックノイズのないアクションや色彩は良い

スティング(1973年製作の映画)

4.0

コンゲーム映画の名作。
展開を知っていても引き込まれる。
スコット・ジョプリンのジ・エンターテイナーも名曲。

『人を騙す』という能力。
正直が美徳とされる世界では敬遠されがちだけど、それも使う相手や
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.9

デンマークの片田舎を舞台に、信仰と料理、それによって紡がれる絆をテーマにした、お伽話のような映画。

食事や晩餐のシーン。
どのような食材をどう調理してどう味わうか、同席した人と何を話すか。
キッチン
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.2

原作から省略されたシーンや綺麗すぎる衣装などが気にならないわけじゃないけど、キャスト・舞台・アイヌ文化の再現度、アクションの迫力といった完成度が高く、二〇三高地戦では鳥肌が立つほどだった

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