このレビューはネタバレを含みます
要所要所は良かったけど、悪い所も多くてこれまでに比べたらダントツで見応えがなかった。
ハッキリ言って2話がピーク、以降はピークアウトする。
スポ根ものの熱さがあまり感じられなかったし、菊花賞で開花してそこから精神的に成長するのかと思えば、1着になれないからと何度も落ち込んだり泣き喚いたりするキタサンの描かれ方にガッカリ。
テイオーみたいになれなくて落ち込むのは分かるけど、自分の道を行くって決めたんだから中盤のナーバス展開は絶対に要らなかった。
てかキタサンブラックは普通にめっちゃ強い馬だし、なんでこんな描き方にしたのか本当に謎。
この世代を引っ張るような活躍を期待してたから。
ブルボンに想いを寄せていたライスみたいに、同世代がキタサンに憧れるような展開の方が面白かったと思う。
それが出てたのは12話のワンシーンだけだった。
他の同期組との絡みが少な過ぎて描写不足だったのが3期1番の問題点だと思う。
終盤まで一緒のレースに出てただけで、特にスポットも当たらずに掘り下げが少ない。
キタサンが嘆いてる展開を削って同期組の掘り下げに注ぐだけでだいぶストーリーの完成度が違ったと思う。
そのせいで10話と12話で引退間際に初めてキタサンに勝つサトノクラウンとシュヴァルグランのドラマも弱い。
演出や展開に見合った感動が一切なかった。
クラウンはあっさりし過ぎだし、シュヴァルは今までそんな描写なかったのに「君が嫌いだ」→「大好きだー!」の早すぎる心変わりに感情移入のしようがなかった。
ヘイトは集まるかもしれないけど、もっと早く嫌いだってやっとけば大好きだー!の感動が増してたと思う。
4話しかないRTTTにも積み重ねで圧倒的に負けてる。
2期ではそれぞれにスポットが当たってどのキャラクターにも感情移入が出来るようになってたし、1期もスピカと黄金世代をメインに分かりやすく描かれてて見やすかった。
RTTTも4話でメイン3人とそこに関わる人たちがしっかり掘り下げられていて見応えがあった。
3期はゲームをやってること前提な気がしたし、キャラクターの組み合わせとかファンサービスに力を入れてるように感じてしまった。
ゲームで出たキャラや衣装が複数登場するのは嬉しいけど、メインで見たいのはそこじゃない。
サトノ家のジンクスについても1話に詰め込んでやるんじゃなく、もう少ししっかり描いて欲しかった。
そしてよく言われてるライバル不在問題。
さっき言った同期の掘り下げ不足もそうだけど、許可が取れていない強いライバル馬も1期ではブロワイエというオリジナルキャラでしっかり描かれてたし、シンデレラグレイではオリジナルがバンバン登場してるのにしっかり活躍させてるから、許可取れなかったじゃ済まされない。
あからさまにモブ扱いだし、「誰ぇ!?」ってキタサンに言わせるのは酷かった。
同レースの出場者を全く気にしてない放漫な性格にしか見えないし、スポーツの代表戦で対戦相手を知らないようなもんだからやっちゃいけない。
ドゥラメンテばっかり注目されて落ち込んでたのに、自分も同じようなことしてるじゃんってなった。
最終ライブに声無しのモブを登場させるくらいならオリジナルキャラを作って代用した方が良かったと思う。
あと個人的にキタサンブラックのラストランは涙で見届けるというより、「やっぱり強い!」って笑顔で見届けるのがしっくり来る。
有馬記念のトウカイテイオーみたいに全員が涙を流すんじゃなくて、ジャパンCのスペシャルウィークや菊花賞のナリタトップロードみたいに限られた人だけ泣く演出の方が良かったと思う。
積み重ねが弱過ぎるから2期のラストランと同じような演出にしたら完全に劣化版に見えてしまう。
史実のレースを再現する今まで通りの構成だったのは楽しめたし、ウマ娘だからこそ最後まで見れた。
1話と2話の構成、ゴルシ回、「最初に描いた夢が実は叶っていた」ことに気付く8話ラスト、11話〜13話の話の流れは良かっただけに残念。
2話がダントツで良かった。
あそこでキタサンと同じく本命不在だったネイチャの菊花賞を重ねてくるところは痺れたし泣いた。
その後にネイチャ先生を擦り過ぎなのは気になったけど。
ドゥラメンテのサプライズ登場があって、オルフェーヴルとジェンティルドンナの名前が出たのも嬉しかった。
でも1期・2期・RTTTには遠く及ばなかったから、ジャングルポケットが主役の映画に期待。