日常物。
10cmくらいの小人な女性二人の、少しファンタジーな生活を切り取った作品です。
私はハクメイが修理の仕事をする回が好きでした。
彼女の仕事に向かう独特な姿勢に、感心しました。
「徹夜で現場に入るな。帰って寝ていろ」と言われたら、本当に帰って眠る。
大きな現場に入るのを偉い人から断られても、知り合いの雑用係として入っていく。
家でも鍛錬をして、〈研ぐ〉ということに関してはベテランにも認められる腕を身につける。
かなり変わっているけど、そこには相手の考えも汲んだ哲学があって格好いいです。
多くの作品で「あいつは面白えやつだ」というセリフが出てきますが、本当に面白い人物だと感じることは余りありません。
その意味でも、視聴者に登場人物の魅力を伝えられる、人物描写は見事だと思います。
ですが、各キャラの掘り下げのバランス感覚は悪い気がしました。
ハクメイに比べてミコチが全くキャラ立ちしていません。
私にはミコチよりも準レギュラー格の歌姫ちゃんとホネクロマンサーちゃんの方が立っているように思えます。
タイトルが『ミコチとハクメイ』でなかったら、ハクメイが主人公で先述の二人がサイドのメインキャラ、ミコチが物語を進めるお姉さん的役割と感じたかもしれませんね。
イワシ親方や喫茶店のマスターも制作的にはレギュラーなのかもしれませんが、やはり準レギュラー感が否めません。
登場キャラのバランスはいいけど、キャラ立てのバランスが悪い。
というのが、ぴったりな表現だと思います。
プロップデザインは可愛らしいものが多いです。
メインは中華風でありながら、ところどころ高円寺っぽさがあります。
好きな人はかなり好きでしょうね。
日常系はきらら原作の方が好きです。
完全に自分の好みですが、きらら原作のアニメはテンポの良さや緩急が上手いと思います。