どぅぐ

ベルセルクのどぅぐのレビュー・感想・評価

ベルセルク(2016年製作のアニメ)
4.3
ダークファンタジーの金字塔『ベルセルク』

中世ヨーロッパ風の世界観を基調として、剣、魔法、神々、宗教、国家、騎士、戦争などといった様々な要素を緻密に練り上げて作られた壮大な作品だった。

多くのファンタジーは、往々にして、魔法の神秘性や騎士の気高さにばかり注目して、本当の中世ヨーロッパ世界の姿を置き去りにしがちである。
飢饉、貧困、奴隷、性愛、肉欲、陰謀、など、平和フィルターによって隠蔽される真実は多い。無論、今の時代の読者が求めているものの方が売れるのも事実。

だが、この作品は、そんな生易しさは一切が排され、混沌としていた暗黒時代を重厚に描いていた。決して削ぎ落としてはならない闇の部分があるという考えが垣間見れた。
理不尽に絶望しつつ、生き抜く登場人物たちの逞しさは、ダークファンタジーならでは。
私は、こういう作品にこそ、より多く世に生まれるべきだと考えている。
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