ヒカル

有頂天家族のヒカルのレビュー・感想・評価

有頂天家族(2013年製作のアニメ)
3.5
四畳半がボチボチ楽しめたので、森見 登美彦原作の本作を視聴。

シーズン1 全13話 2025/04/29視聴完了
シーズン2全12話 2025/05/16 視聴完了

尚、アニメ製作会社は私が信頼するPAWORKSでしたが、PAWORKS風味は弱めで原作尊重の作風だったかと思います。 

本作もボチボチ楽しめました。四畳半同様に下鴨神社を中心に京都の右上の方でわちゃわちゃしている作品で、設定は狸が主人公なのでファンタジーですが、どちらかと言えば日常系でのんびり楽しめました。四畳半同様に観光アニメとしても楽しめるのは、お得感があって良いかと思います。

水星やジークアクスの様に明らかにソーシャルメディアでの毎話のバズりを狙った起伏の激しいアニメに疲れた方にはオススメかと思います。

 
 



以下はネタバレ

・ファンタジー要素は主要キャラクターが狸である事で、狸、天狗、人間が共存する世界を描いてます。本作が変なところはヒロインが天狗の弟子の元人間で、主人公のお父さんを食ってしまってます。普通の話でしたら復讐譚がストーリーとなってしまうところですが、人間が狸を食べるのは自然の摂理である事はしつこく説き、狸側のおじさんをヴィランにする事によって若干の違和感は有りますが、回避しています。

・本作の魅力は多様なキャラクターにあるのですが、私は弁天様、淀川教授の人間キャラ2名に惹かれました。共に狸を食べてきた側では有りますが、狸側にも気持ちを寄り添い助力する事が多く、深みがありバランスの良い納得感あるキャラクターだったかと思います。

・セカンドシーズンにて地獄絵図が出てきて、その絵の描き込みが凄まじいのですが、地獄に引き込まれるストーリーに説得力を持たせてくれました。地獄絵図は元の美術作品が存在するのだと思いますが、もし無いのであれば、村上隆を超えてるんじゃないかと素人目には凄まじいレベルのものでした。この地獄絵図シーンは☆5.0でmust seeです。(展覧会があり、入場料800円でしたらじっくり鑑賞したいレベルでした。)

・不満な点は主人公のキャラデザが設定年齢よりも幼く見える所で、天狗の師匠や淀川教授とのそつない対応、弁天様との微妙な恋愛関係などの描写において違和感を感じる事が多かったです。

・オマケ 森見登美彦作品マイフェイバリット
1位 夜は短し歩けよ乙女 小説 ☆4.0
2位 ペンギン・ハイウェイ アニメ ☆4.0
3位 有頂天家族 アニメ ☆3.5
4位 四畳半神話大系 アニメ ☆3.5
※1位の理由は良いタイトルと初めての下鴨神社あたりのお話だったので新鮮に楽しめました。(森見登美彦さんは下鴨神社と京大と木屋町・先斗町を擦りすぎかと)
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