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エウレカセブンAOのslowのレビュー・感想・評価

エウレカセブンAO(2012年製作のアニメ)
4.8
【沖縄が独立した世界!?】
『シンエヴァ』×『ゴジラSP』的作品。
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「外人の子」として一部の島民から忌み嫌われたアオが、未知の存在シークレットを討伐する部隊に入り、世界中を巡る青春冒険活劇。

『エウレカセブン』というと異世界ファンタジーと思うだろうが、こっちは現代の世界を舞台にしており、どちらかというと『シンエヴァ』に近い作風である。

本作は一部から結構ボロクソに叩かれてるが、その理由は『エウレカセブン』のファン達の気持ちをないがしろにした展開が多いためである。
なので、『エウレカセブン』を見てない人にこそ見てほしい。
普通にワクワクするし「沖縄が独立した」って設定だけでも面白すぎる!笑

一応『エウレカセブン』シリーズではあるが、基本は新規一転した別世界の物語なのでニワカでも見れる仕様。

「オキナワドル」とかロボットのことを「うみきょんちゅ」と呼ぶなど沖縄のIFとしてみるとなかなか興味深い世界観だ。
しかし、沖縄編がわりと短く、大部分は海外でお話が展開するのが何とも惜しい。

アオが所属する部隊パイドパイパーが、「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにした部隊で、伝説通りに大人のリーダーがロボットのパイロットである子供たちを連れているのも面白い。

話の構造はエヴァみが強く、敵のシークレットは使徒風の怪獣的存在。
シークレットを討伐して周辺に発生した特殊な物質を回収するのがパイドパイパーの仕事。
主人公以外に女の子2人のパイロットがおり、その2人もシンエヴァみあってたまらん。

ノリは『ゴジラSP』みたいなノリで、各陣営の大人たちが色々動き回り、難しい用語が飛び交うので、よく分からんがなんか分かった!感じになる(語彙力)

個人的には主人公のドラマよりも外人差別されながら子供を一人で育てた母親エウレカがえらすぎて回想場面にエウレカの姿が映るたびに涙がボロボロ溢れる。

「親と子」「パラレルワールド」などをテーマにしており、前作との関わりが強くなる後半は勢力図がぐちゃぐちゃになって置いてけぼりを喰らうし、ラストも打ち切り漫画のようで消化不良なのが残念。

ひと昔前に作られたアニメとは思えないほどアニメのクオリティは高く、かなり金かけて作った事がわかる。
音楽も心に響くしめちゃいい。
キャラクターもみんないい。
全体的にシリアスな作風だがメインキャラが若者なので、爽やかな気分になる。

エウレカよりもエヴァンゲリオンが好きな人にささるんじゃないかな。

エウレカファンからは厳しい意見が多い本作だが、現実の問題をテーマにしてるからこそ、話に重みが増すし、ファンタジー要素が強すぎた前作よりもリアリティ溢れた本作のほうがわいはすき。

ストーリー★★★★⭐︎←幕の下ろし方が打ち切り作品ぽくて物足りなかった。
世界観★★★★★
音楽★★★★★
キャラクター★★★★★
敵キャラ★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎←敵陣営は個性も魅力も無い…
好み★★★★★
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