初めてエヴァを見たときのような衝撃を感じた、今まで見たアニメ作品の中で一番良かったと言っても過言じゃない。「銀河鉄道の夜」と95年のあのテロ事件をモチーフとしたストーリー。
欠落した家庭をもつ、すなわち親からの「無償の愛」を貰えなかった人物らが、いかにして互いを愛し、愛されるか、過去を乗り越え円環を断ち切るかに試行錯誤する物語であった。
誰かと罪を分かち合い、罰を共に受けるという自己犠牲の輪を繋ぐことによって、人々は救済される、死から始まるというのはいささか綺麗事のように思える。でもそれで人を救える、救われるならどんなに素晴らしいことだろうかと思った。
家庭の描写は、自分にクリティカルヒットするものがいくつもあり、見ていると過去を思い出してしんどくなるところもあったが、それも含めて、誰かに愛されなければ「透明な存在」になるというメタファーなど、非常に適確に表せていたと思う。