たつや

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd SEASON -覚醒前夜-のたつやのレビュー・感想・評価

4.3
シーズン1はアプリ版メインストーリー1部の大筋をほぼそのままなぞってきたのに対し、シーズン2ではかなりのアレンジが加えられるようになり、結果としてアプリ版1部をプレイ済みであっても先の展開が読めない作劇となったのが非常に良かった。特にアプリ版では明確に描写されていなかったドッペルのデメリットがまどマギ本編並のインパクトをもって描写されており、マギウスの主張に反対する魔法少女に視聴者も同意出来る(アレのどこが魔法少女の救済!?)ようになっているのはアプリ版からの大きな進歩であると言えるだろう。アプリ版から遥かにダークさを増したみたまや鶴乃の心の闇の描写も本当に良かった。1〜2話のやちよや4話以降のいろはと黒江の関係性描写など、個々のキャラクターの性格描写もアプリ版やアニメ1期に比べると本当に良くなっている。1話はほぼ全編まどか・ほむら・さやかのエピソードだったがまどマギのオタクでこれで泣かない人はいないだろう…というクオリティで、これを作ってくれて本当にありがとうと言うしかない。

そして何よりシーズン2はアニメーションのクオリティが本当に凄まじかった。肉眼で全容を捉えるのが困難な程の複雑な魔法少女のアクションアニメーションは間違いなく2021年のTV/映画のアニメ作品の中でもトップクラスのアニメーションであったと思う(そしてそのクオリティが8話の間ずっと維持されるのだから心底驚いてしまう)。これで作画がどうのとか言っているオタクがいるのだから困ったものである…。

冷静になってみるとみたまの心境の変化やウワサの鶴乃・ホーリーマミとの決着はちょっと急なのではという気がしてくるような気がしないでもないのだが、本編を見ている間は全く気にならない。演出のスピード感・物語の牽引力がそれだけあるということだろう。マギカシリーズの新作としては文句無しの大傑作、これでファイナルシーズンもこの出来であれば文句無しだったのだが…。
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