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ぼくらののYouのレビュー・感想・評価

ぼくらの(2007年製作のアニメ)
2.0
全話観た感想。

「パイル打ちなら負けない!うちは土建屋だ!」(←絶対入れるべきだろ…)が放送コードに引っかかったり、ダイチは力持ちだなあ、の前フリがなかったり、畑飼がただのチンケなロリコン陰キャだったりなんてところに文句を垂れたくなったくらいならまだよかったのだと後半になるにつれ思い知らされた。

原作信者というほどでもない私でもわかるほど、原作の世界観に重要な要素であった理不尽な透明感をめちゃくちゃにしてくれた。
謎は解かれないから魅力を保つのだ。
あいまいな佇まいでありながらそれゆえに作品テーマを印象的に演出していた本来の登場人物たちに、生半可で自己満な肉付けを施したおかげで逆に浅くて陳腐なハナシになった。
言わなくても伝わることをいちいちキャラクターに発言させる茶番劇。
萎える。

何を伝えたかったのかね?
大人社会の汚さ?陳腐だなあ。

駄作というか、果てしなく凡作。
いいとこ二次創作。
公共の電波に乗せた同人。
発刊時期や放送コードの関係でアニメを原作どおりに放映できないのはわかるにしても、その意味で別作品にせざるを得ないのならば、一つの作品として恥じないものにしてほしいと思う。

マキの変身は?マチの告白は?ナカマのグーパンは?チズ姉へのメッセージは?カンジの母への思いは?ダイチが託した希望は?
死ぬ間際の行動は、子供たち一人ひとりの一番大切な、そして隠すように押し込めてきた心からの正直な思い。
全体的に、子供たちは志半ばに死にすぎて不完全燃焼。
それを美学として処理し正当化した、製作者の完全なる自慰アニメ。
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