前作から全体的な作画の水準が向上したことでキャラクターの瑞々しさが増し、またワグナリアの愉快な店員達のキャラクター性の把握による関係性とそれに乗じた掛け合いの小粋さをより深く読み取れるようになっているためか完成度は尻上がりになっているように感じる。シチュエーションコメディとまではいかないが、キャラクターの変化や好奇心を起点とした笑いの導入とそこからの差し込み方がやはり熟れてる印象で、下準備を1期で完全に終えているので、見てるこちらの気構えとしてはリラックスして鑑賞できてよいね。鑑賞してるとまあ見慣れる『奇抜さ』のラインに個性が揃えられているので目新しさとは無縁だが、日常を舞台とするコメディとしての型がこの時点で強固なので安定している。人間ドラマも膠着を感じさせない程度には牛歩だが着実に進展していくので遠からずの物語の終わりを意識させるのはやや寂しさがあるが、基本的には不変の地位にあるぽぷらと山田がこの日常感を損なわない緩衝材となっているのが見て取れて、やはりよく考えられているなぁと曖昧な感心。
