ゆず

七つの大罪 憤怒の審判のゆずのレビュー・感想・評価

七つの大罪 憤怒の審判(2021年製作のアニメ)
2.5
どうやって作画の労力を減らす工夫をしているのか非常に勉強になった。後頭部に喋らせればいいのか…。

5期初回から4期同様の"安定した作画"だったのは驚いた。ある意味で視聴者を裏切らない。最終話だけが良い意味で裏切られて、「七つの大罪」の本来の姿を見ることができた。
前半は複数の勢力が入り乱れての聖戦、後半は魔神王と七つの大罪の最終決戦、さらにエキシビションマッチまで用意されていた。
不思議なことに作画が"良すぎて"物語の方がチープに思えてくるほどだった。

つくづく愛の物語だな…と思った。ほとんどの登場人物の行動原理が「愛する人のため」だった。残虐非道な悪役キャラでさえ、想い人がいて愛のために戦っている。
ウエディングがゴールという単純明快な価値観の押し付けは、ついにカップル成立しなかった人たちが不憫に思えるほど幸福に満ちていた。
どうやらその幸福は劇場版の方でも続くらしい。TV放送中から劇場版の宣伝が流れていたので、「この人は死なないんだな」と安心して見られる"親切な"宣伝だった。一方で、「死んだはずのあの人が蘇るのかもしれない」と最後まで期待を持たせてくれる"とても親切な"宣伝だった。ネタバレに一切配慮しない姿勢は1周まわってかっこいい。

思い返すと7年前の1期がいちばん面白かったと思う。
残念ながら劇場版を観に行くことは出来ないが、7年5期に渡るシリーズを完走した自分を褒めてあげたいと思います。
ゆず

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