虎舞羅ーコブラー

プリンセス・プリンシパルの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

プリンセス・プリンシパル(2017年製作のアニメ)
4.6
劇場版の「Crown Handler第一章」の公開に合わせ、二週間限定で公式配信されていたので鑑賞。

アニメの絵柄を見て「ただ可愛い系のアニメでしょ」と思うかもしれませんが、本編を見るとイメージが一変。映画レベルと言っていいくらいのスパイものです。
まず脚本やキャラ構成のレベルが高い。
今作で舞台の王国は、かつてのドイツ・ベルリンの壁を彷彿とさせており、〈王国〉と〈共和国〉に分断されています。その二国のスパイたちが諜報、暗殺劇を繰り広げます。二つの国の思惑が複雑に絡み合い、本格的で骨太なスパイものとして成立しています。
キャラクターたちも個性豊かで愛着が湧きますが、彼女たちの過去は一人ひとり違い、みんな葛藤や悲しき過去に立ち向かう姿を丁寧に描いています。特にプリンセスとアンジェの過去は印象的。二人はまるで旧知の仲の様に見えますが、その過去に隠された、国をも揺るがす可能性がある真実には驚愕しましたね。
スチールパンクな世界観に、重厚なスパイたちの騙し合い。「少女の嘘は、世界を変える」の言葉通り、彼女たちの任務の重さと危険さを上手く上質に仕上げられていると感じます。一話完結型で時系列をバラバラにしているのも、中々良い工夫でしたね。

劇場版も、最後まで見届けたいと思います。
Netflixに2021年2月24日から配信なので、興味があれば是非!


2021年9月27日、U-NEXTで先輩と共に全話再鑑賞。