ウシュアイア

ドラゴンクエスト ダイの大冒険のウシュアイアのレビュー・感想・評価

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1991年版はリアタイで視聴、さらにリメイク版と平行して再視聴。

「ドラゴンの騎士」の物語なので、一応「ドラゴンクエスト」だが、ジャンプの「努力・友情・勝利」の枠組みで、テーマやメッセージ性においてはゲームの「ドラゴンクエスト」とは全く異なり、また後半以降は逆輸入されたものを除いて技や魔法が大半がオリジナルのものになっているため、ゲームのファンとしては「ドラゴンクエスト」を冠していることに不満がある。さらに、ダイの年齢が12歳ということもあって、連載当時からもちょっと幼い感じがして、カッコいい勇者というイメージにならず、あまり好きにはなれなかった。

とはいえ、ジャンプの「努力・友情・勝利」のフォーマットに落とし込まれたストーリーは嫌いではないので、1991年版からついつい観てしまっていた。ただし、本作は作品自体が長くなることを想定して、かなり話が端折られているのが残念。

1991年版に比べると、グラフィックが劇的に向上し、特に魔法や剣技のグラフィックが美しく、かっこよくなっている。また、フレイザードは氷のきらめきと炎の燃えている感が出ているCGには感動を覚えてしまった。

キャストは現在の人気の声優さんで固められているものの、1991年版のキャストが当時にしても現在から見ても豪華な上、否応なしに聞きおとりしたり、1991年の演技を意識しておられると思える演技が散見される。解釈や演技はオリジナルではないかも知れないが、それでも名優たちの演技を再現できているところは素晴らしい。少年役で定評があった藤田淑子さんがやっていたダイ役の種﨑敦美の違和感のなさは驚異的。

でも、早見沙織さんのレオナ姫、悪くありませんが、ごめんなさい、やっぱりレオナ姫は久川綾さんです。同じく、バラン役は石塚運昇さんです。

そんな中でも、続きが描かれることを前提にキャラの立ち位置が変わっていることもあるが、ハドラー役(1991年版は青野武さん)の関智一さんやザボエラ役(同、龍田直樹さん)の岩田光央さん、アバン役(同、田中秀幸さん)の櫻井孝宏さんのオリジナリティを感じる演技はやはり光っていると思います。
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