いめーじ

NOBLESSE -ノブレス-のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

NOBLESSE -ノブレス-(2020年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

韓国の漫画が原作で舞台は日本。
スゲー能力を持ったイケメンが820年の眠りから覚めて現代で学生をやる話…と書けばチープに感じるが、そこそこ壮大で普通におもしろい。
最強主人公のライジェルはまったく出しゃばらないけど存在感だけはあり、しっかりとサブキャラも光っているので退屈することはほとんど無かった。放送分には含まれない0話も必見なので全14話ある。

前半はM-21が中心でシリアスな雰囲気がありつつ、凶悪な地元の不良まで絡んでくる地味な盛り上がりもあるし、定期的に挟まれる理事長宅でのワチャワチャとかラーメンを伸ばすばかりの食事シーンがシュールギャグとしてレベル高くて何度も笑えた。 タオと加瀬が意気投合する流れが特に好き。

7話は衝撃的なエピソードで、タオとタキオが警備員になって学校のイケメン密度が増したり、田代の恋愛相談が始まったりバスケしたりと…超人達が打ち解けてやることがコレか!なんて楽しんでいたところで、田代と加瀬の記憶消去が決まる驚きの転換。
危険回避のためなので受け入れざるを得ないけど、記憶消去によって学園長やオジサン3人との距離が遠くなるのは切なかった。でもライとレジスとセーラとは普通の高校生としての友情が続いてくれる救いがあってよかったなぁ。

フランケンシュタインとライジェルを掘り下げる回では、フランケンシュタインが人間の力を思い知らせるために貴族狩りをしていたヤンチャな過去が明かされて、想像以上の熱さとイレギュラーな存在感で魅力をさらに引き上げた。
あれほど孤独だったライジェルとラーメンの出会いは本当にシュールすぎるし感慨深いものでもあったのな。

ルケドニア編では、長生きしてるくせに精神が幼い一部の貴族が小物でめんどくさかったけど、セーラの服装がとても良かったし、貴族の中にもフェアな戦いを貫く品格あるキャラとか兄貴分なナイスガイもいたので戦闘に見応えはありました。
レジスが気高さと優しさと熱さを持ったメチャクチャ良いキャラに成長したのも嬉しい。上記の小物キャラも成長を期待された存在ではあって蔑ろにはされておらず、作品の優しさを感じられる。

貴族たちは実質不老なので、長きに渡り体制が変化せず、古い価値観から抜け出せない現状を憂えた前ロードが自ら永眠して変化を促したってのが真相だったけど、前ロードは無駄な混乱を招きすぎたなぁと文句を言いたい気持ちはある。

ノブレス・オブリージュからの解放を描きつつ、ノブレスとしても在り続けようとするライジェルも尊重した器のデカい愛ある物語でした。

作画は全体的に安定していたし、何よりもキャラとギャグがかなり良いので、もっと評価されるべき。

OPはHYDEのプロデュースで元「東方神起」のジェジュンが歌っているのだが、トンデモなくクセが強い。
でも聴き慣れたら曲も歌唱も良いんですよ。EDも良い曲。