うかりシネマ

怪 〜ayakashi〜のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

怪 〜ayakashi〜(2006年製作のアニメ)
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このレビューはネタバレを含みます

「四谷怪談」、「天守物語」、「化猫」の三つのエピソードからなるオムニバス。いずれもホラーが根底にあるが、「四谷怪談」はホラー、「天守物語」は恋愛、「化猫」はミステリの要素が強い。

「四谷怪談」
鶴屋南北を使ったギミックは今日ではありふれたものになっており、肝心のストーリーについてもホラーというよりは不条理。主人公である伊右衛門も単なる悪人とは描かれないため、恐怖の要素は薄い。

「天守物語」
ホラーに力を入れており、そこに注力するということは要するに主題はホラーではない。根幹はオーソドックスな恋物語。
アニメ的なキャラは魅力的で、アクションもあり、ストーリーも三作の中で最も面白い。

「化猫」
他二作がどうしても時代を感じさせる作画だったのに対し、本作は現代でもそのまま通用する。カットも演出も全てが独創的。
物語はのちの『空中ブランコ』に通じるようなカウンセリングの要素を持つ。
薬売りは古典から完全に逸脱し、存在感を放つ。
3話で起こり、暴れ/解き、解決を描く無駄のなさもいい。
本作だけアバンを採用している。

コメントに各話感想。