あんへる

ROBOTICS;NOTESのあんへるのレビュー・感想・評価

ROBOTICS;NOTES(2012年製作のアニメ)
3.3
【2012年秋・2013年冬アニメ作品{全22話}】

ノイタミナ初のゲーム原作作品。
アニメ制作はProduction I.G

「CHAOS;HEAD」「STEINS;GATE」に続く、5pb.(現MAGES.)とニトロプラスが手掛ける“科学アドベンチャーシリーズ”のアニメ化第3弾。

基本的に科学ADVシリーズは作品同士で世界観を共有している為、本作は前作STEINS;GATE(トゥルーENDの世界線)から9年後、2019年の物語となっている。

まあ、これらの設定や前作とか全く知らない状態でいきなり観ても特に問題無いっちゃ無い。
基本独立してる物語だし、話の大筋には絡んでこない謂わば裏設定的な繋がりなんで。

でも知ってる人は小ネタでニヤニヤできたり、考察が捗るってメリット付き。
あっでも、1人シュタゲのあのキャラはガッツリ物語に絡んでるわw


正統派な青春群像劇の皮を被ったSFサスペンスといったところ。

種子島が舞台になっているが、この辺りも前作までの東京を舞台としたシリーズの雰囲気とは一線を画している。

随所に不穏な空気は感じながらも中盤までは割と王道的な青春ストーリー。

主人公の海翔の初見は典型的な高二病男子。
対してヒロインのあき穂はエネルギッシュな元気女子。

あぁなるほど、その流れね。
巻き込まれ型の主人公ってやつか。

ちょっと他作品を例に挙げると、
やれやれ系男子のキョンも、省エネ男子の奉太郎も、ジャンル的にはみんな高二病。
能動的に行動しない彼らは、ハルヒやえるたそに振り回されていくことで次第に主人公としてのアイデンティティを確立していく。

ヒロイン主導の構図がそのまま物語の主軸になっている。
本作も大いにその流れを汲んでる物語の運びではあった。

だが、中盤以降はがらりと作風が変わる。
と言うよりは、思い出したように本線に引き戻される感覚。
そういえば、これ科学ADVだった。ってね…w

つまり何が言いたいかって、ちょっと違和感なんだよね、流れが。
ぶっちゃけ途中まで観てて、こちとら完全に群像劇の展開を味わい尽くしたい口になっちゃってる訳ですよ。
で、そっからいきなり濃厚SF要素ブチ込んでこられても、超展開過ぎてポカーンなんですわ。

ちょっと視聴側の意識と製作側の意図が乖離しちゃってる感じなのかな。
シュタゲのようにはいかなかったね、ざんねん。

作品のテーマとかやりたいこと自体は普通に面白いと思うけど。
アニメで表現するには少しばかり作り込みが甘かったのかな。
と言うより、割と敷居の高い作品だよね。
ある程度の玄人向けというか、観る側に世界観に対するリテラシーを強要してくる感覚。

気軽に観るには重すぎるし、
てかナニソレ?正直めんどくせぇw


演者の方々はかなり好みでした。
南條さんのヒロイン映えするボイスはとても素敵です。
実力のある声優さんだと思うけど、最近の作品だとあんまり見かけない気がしますね。(音楽活動の方が忙しいんだろうけど)

あとフラウ役の名塚さんがツボでした。
陰キャのオタク役が見事にハマってて素晴らしかった。


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[主題歌]

OP
(前期) Zwei「純情スペクトラ」
(後期) HARUKI「咆筺のメシア」

ED
(前期) fumika「海風のブレイブ」
(後期) いとうかなこ「トポロジー」

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