Qちゃん

西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜のQちゃんのレビュー・感想・評価

3.6
イギリスの留学時代に観たんだっけな。懐かしい。。その時書いてたレビュー↓

絵柄も雰囲気も、原作を忠実に再現している。Chemistryのテーマ曲も凄く良くて、そのタイトルどおり、まさにこの作品のテーマは"Life Goes On"、「それでも人生は続いていく」ってことだと思う。OPも可愛らしいけど、EDの方が意味合いをよく表現してる。 

少年時代の誘拐事件のトラウマが癒えない元商社マン。 
死にたいほどのショックから魔性のゲイに目覚めた天才パティシエ。 
母親の死で身寄りも無く橘家の世話になる家政婦の息子。 
網膜剥離で引退せざるを得なくなった元天才ボクサー。 

そんな彼らが、洋菓子店「アンティーク」に集い、徐々に癒されながら、自分のこれからの人生の在り方を見つめていく、という感じの群像劇。 

彼らだけでなく、その他の登場人物も、私たちだって同じ。トラウマ、挫折、絶望や後悔。誰もが、何かを背負って生きていて、それでも、何らかの生きがいを見つけ、その後の人生を歩んでゆく。 

漫画にしてもこのアニメにしても、この話の良さは、そんなテーマを重苦しく大仰に捉えたりせず、あくまでも等身大で、あっさりと描いていること。過去の記憶を消し去ることなんて出来ないし、切っ掛けさえあれば何かを簡単に吹っ切れるわけでもない。それを受け止めつつも、人は前に進んでいく。大層なことでも何でもなく、人生は、そういうもの。諦観とはまた違った、そよ風のような気持ちよさのある作風が好き。 

もちろん、その大テーマと隣りあわせで、過去の誘拐事件にまつわる事が徐々に明るみに出てくるあたりも、サスペンス風味が効いてて凄く引き込まれる。 

そして、とにかく出てくるケーキとお菓子が悉く美味しそう!凄く食べたい! 

これアニメ化どころかドラマ化もされてたんだね。しかも韓国でも映画化!原作も賞取ってるみたいだし。あと、間違われること多そうだけど、ゲイが出るからと言ってボーイズラブものじゃない。そこで躊躇してるなら、原作読む・これ観るのお勧め。
Qちゃん

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