プラナリア

ゲキドルのプラナリアのレビュー・感想・評価

ゲキドル(2021年製作のアニメ)
3.1
「演劇」「アイドル」「SF」の3要素が融合しては衝突事故を起こしたりするアニメ。なにより素晴らしいのは4〜6話にかけての一連の下りだろう。究極の演者としてのドールの恐怖、拗れる感情と真実、ED映像も含めて演出もキレッキレで非常に満足度の高い中編だった。ここまでは......

主人公が持ちうる最大の物語エネルギーを消化したあとは、作品の真の姿が顕となり物語は一人歩きしていく。子供組が演劇をする傍らで大人組がハードSF大戦している様は滅茶苦茶シュールだし、子供組の話も些か盛り上がりに欠く。しかし迎えた最終回、演劇レイヤーが演劇のまま、SFレイヤーがSFのままに奇跡的な結合を果たし、そのまま斜め上にブッ飛んで満足して帰っていくラストはすごい。迫力だ。迫力としか言えない。視聴者の満足感とは別に、作品そのものがすごい満足げにしている(?)ので、なんだか許せてしまう。この怪作がマイナーなまま埋もれるのは惜しい気もするよ。
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