たつや

ゴジラ S.P <シンギュラポイント>のたつやのレビュー・感想・評価

4.1
本編を観るまではゴジラウルティマのデザインがクソダサい・カッコ悪いなあと思っていたが、第10話終盤のゴジラウルティマ東京蹂躙シーンが歴代ゴジラシリーズの中でも上位に入る素晴らしさだったので平伏した。ここのシーンは本当に素晴らしかった。

ゴジラアクアティリスは「ゴジラが海を泳ぐならこういう形態の方が絶対自然だろ!」とずっと思っていたものをそのまま映像化してくれて最高だった。チタノザウルスベースのデザインも悪くない。

ゴジラアクアティリスからぬるっと変態したゴジラアンフィビアは正直そんなにピンと来ていない。変態シーンはじっくりしっかり描写してほしかったし、そもそも顔も鳴き声もバランそのまま過ぎる。だったらバラン本人を出してくれ、と思ってしまう。ほとんど動かないのもつまらない。

ゴジラアンフィビアから変態がしっかりと描かれたゴジラテレストリスはかなりのお気に入り。ゴロザウルス・エメゴジ・ミニラ・ベビーゴジラ(リトルゴジラ?)を混ぜて顔をめちゃくちゃキモくしたデザインが最高に素晴らしい。口からなんかドバドバ出してたのも蒲田くんを彷彿とさせるキモさだし、肉塊リアクティブアーマーもシンプルにキモい。この人智を超えた異形こそが最高にゴジラ!という感じで素晴らしかった。テレストリスからウルティマへの変態もしっかり描写してほしかったのだが…。

とまあゴジラ描写に関してはこれまでにない新しいものが見れて大変満足なのだが、欲を言えばもっと画面にゴジラを映して欲しかった。如何せんゴジラが画面に映っている時間が少な過ぎ、アクアティリスもテレストリスもウルティマも堪能出来ないまま終わってしまった感がある。盛り上がりのピークは10話ラストだったな、という印象である。

キャラクターや謎解きパートは面白く、怪獣がいなくても物語の推進力として十分に機能している。しかし、全体としてゴジラの存在感が薄いという印象になったのは否めない。最終決戦でもテンションが上がり切らないまま終わってしまったし、やっぱりシンゴジは偉大だったなあ…と思ってしまうのだった。
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