抹茶マラカス

たまこまーけっとの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

たまこまーけっと(2013年製作のアニメ)
5.0
心地が良すぎる。
いわゆる日常系なんだが、山田尚子による見事な演出、そしてキャリアを重ねたことで全く違う印象を今では持つ洲崎綾の圧倒的なおとぼけ。商店街を愛し、もちを作る娘はお妃様へのシンデレラストーリーよりも愛する地元を選ぶ。ここで語られるような商店街のような地縁は、ある種の幻想空間にもはやなりつつある。日常系がたどり着いた境地がもはや存在しない世界、というのも面白い。いや、そもそも「けいおん!」だってちっとも存在しない空間ではあるのだが、現実との近接点を探っていく中で僕らの現実と地続きで、でも明確に断絶がある。それを一点のキャラで示せるデラもまた優れたキャラクターだ。