平田一

Serial experiments lainの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

Serial experiments lain(1998年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

“so where did her tears go ?”


テレビ東京系列で1998年7月6日から同年の9月28日まで放送された深夜アニメ。このアニメのみならず雑誌連載企画からゲーム作品が同時進行、相互関連制作されたメディアミックス企画とか。


Wired(ワイヤード)と呼ばれているコンピューターネットワークが、普及している時代を生きる岩倉玲音の物語。


って一応書いたんですが、視聴するなら注意が必要。

他の人も言っていますが、生理的拒否反応がOPで出てきそうだし(ボクが最初そうでした)、序盤の時点でふるい落としにかかっているのは確実です。

結論から言ってしまうと、これは異形の名作です。カルト的人気が出るのもスゴく分かる劇薬アニメ。

まず先ほどお話したOPが強烈すぎる。

真っ白な背景に、赤い文字で入力される、

“プレゼント・デイ

プレゼント・タイム

HAHAHAHAHA”

はホント初見時、あまりに怖くて、全身嫌悪に染まりました。しかも読んでる誰かの声が嫌悪に拍車をかけているし、一瞬オレは何を見た!?って頭がパニクりましたよ。

曲も今ではApple Musicで何回も聞いてるほどで、単体でもあれほどの完成度ってスゴすぎる…

で、本編開幕早々、少女が飛び降り自殺を起こして、その少女が差出人のメールが翌日一斉送信。この時点で不穏係数振り切っていましたよ……。

同時に冴えない主人公の玲音の家に大きな荷物。開けると最新式ワイヤードが使える設備が丸々完備。で、設置にのめり込んで、奇怪な事件が周囲で起こり……

1話だけでぜってー毎週欠かさず見よ!って思うぐらいに、不快と不穏と麻薬のような中毒性が炸裂で、しかも結構ゾッとするほどの描写とかも詰まってて、おどろおどろしさというか、狂った感じがゾクゾクでした。

特にボクは主人公の岩倉玲音にヤラれました。

ワイヤードにのめり込むたび、冴えない風貌からの自信、けれど周囲の奇怪な時間に翻弄されて、イライラして、その謎を突き止めるためにますますのめり込んでいく。蟻地獄に落ちたことに気づけない危うさと、同居する一途さがスッゴくたまんないですね。あとキャミソール姿になって身体にコードを繋げる場面。どっから見たって異常なのに、エロスが半端ないっていう、繋げるコードを増やすたびに、スッゲえ魅了されました(本人全くその気がサラサラ無いってところも相まって)。タロウ君がアレを見たら、どんな反応したんだろ(魔性の女に出会ってしまった男と同じ反応だろうね)w

勿論そういうとこだけじゃなく、破格のパワーで英利政美を退いた終盤は、まるでダークヒーローみたいな活躍まで見せてたし、静と動の両方で玲音は魅せてくれますよ。テレ東アニメでここまでのハマり、レナ・ランフォード(「スターオーシャンEX」に登場するメインヒロイン)以来かも。

ネット社会が発達した現代に見るとなお、このアニメの先読みぶりには恐怖さえありますが、そっちに興味が向かなくっても、岩倉玲音に翻弄されるという面白さも詰まってます。

ただ、これは面白いって、オススメはしにくいなw

ボクは当時のDVD(PIONEER LDC が発売した初期のバージョン)とウェザーブレイクコラボ映像付きのBlu-ray Box(「Blu-ray BOX serial experiments lain | RESTORE」)を買いたい、いえ時間をかけてでも、買うって決めるぐらいでした。現に当時のDVD、第1巻注文したし(ブックオフオンラインで)。

てか、90年代の深夜アニメ、狂ってる✨
平田一

平田一