ベルベー

Serial experiments lainのベルベーのレビュー・感想・評価

Serial experiments lain(1998年製作のアニメ)
3.8
当時高校生で、観たきっかけはニコニコに落ちてた人気アニソンランキング上位に入ってたオープニングテーマ「Duvet」がカルチャーショック受けるくらいカッコよかったから。調べると超難解らしい。高校生といえば難解に挑戦したくなる年頃である。幸いにも「エヴァンゲリオン」や「攻殻機動隊」など当時は難解と称されていたアニメが分かった(つもりになっていた)ので、よっしゃいったれと思って観始めた。

さっぱり分かんねえ。挫折である。それまでも読んだけど良く分からない小説とか、観たけど良くわからない映画とかあったと思うのだが、明確に「分からない」ことに焦ったのはこの時が初めてな気がする。

と書いていて思い出した。少なくとも「マトリックス レボリューションズ」は分からんかった。でも当時「訳分からん、つまらん」と叩かれていて、分からなくて良いんだと思っちゃったので、やっぱり分からないことがこんなに悔しかったのは「lain」が初めてかもしれない。いや忘れてるだけで、多分国語の授業で読まされた小説とか沢山あっただろうけど。

毎回冒頭に入る「プレゼンデイwwwプレゼンターイムwww」から既に意味分からなくて怖いし、大林隆介や川澄綾子の怪演が怖いし、それ以上に当時子役の清水香里の玲音/レイン/lain/れいんが怖い。所謂棒読みなのだが、キャラの表情と合っていてめちゃくちゃ怖かった。

正直訳分からんことを差し引いても普通につまらない回がある(特に中盤)アニメだと感じたのだが、しかし分からなくてもつまらなくても好きだった。雰囲気だけで好きだった。だってカッコいいじゃん。「マトリックス」前夜にこれって超カッコいいじゃん。

で、訳分からんと思ってたら最終回はなんか分かったのである!エウレカ!ってやつだ。後年某大ヒットアニメの最終回が絶対「lain」オマージュでちょっと嬉しかった。オチだけ切り取ってパクりパクり言ってる人達はウザかったな。文脈が全然違うだろ!全話観た上でテーブルに着け行儀悪い!

しかしその訳分かんねえアニメの脚本誰が書いてるのかと思ったら幼稚園児の頃大好きだった「ウルトラマンティガ」のメインライター小中千昭である。そこ繋がるんかと感動した。でも確かに怖い雰囲気のエピソード多かった。今思えば子供に何見せてんだ。あと「デジモンテイマーズ」もこの人だった。あれに関しては本当、日曜朝から何見せてくれてたんだ。

キャラデザは今や超売れっ子の岸田隆宏で、今のキャッチーなイメージからは想像つかないくらいダウナーなデザインな訳だが、そういえばこの人の代表作は…成程笑。

あとプレミアついてるPlayStationのゲーム版、いつかはやってみたい。こっちの方がホラーらしい。
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