【1998年夏アニメ作品{全13話}】
“プレゼント デイ”
“プレゼント タイム”
hahahahahaha!!
アニメ版・ゲーム版が同時進行・相互関連して制作されたメディアミックス作品。
発表から20年以上経った今尚、国内外問わずカルト的人気を誇る。
実験的意欲作。
一見するとトンデモサイコカオスアニメにしか見えない。
なんとも形容し難い気味の悪さと取っ付きにくさがある。
その点、確実に観る人を選ぶ作品。
まず合わない人とかはオープニングの段階で切りそうなレベル。
正直自分もそこまで好きとは言えない雰囲気ではあった。
ある意味、最後まで観続けるのは多少根気が必要だった。
物語自体が無駄に難解に表現されてはいるが、作品のテーマは割とシンプル(に感じる)。
時代によって見方が大きく変わる作品なんだと思った。
当時(TV放送時)としてはかなりショッキングで理解され難い題材だったんだろう。
でも今現在なら、然程違和感なく作品の世界観に入り込み易くなっているんじゃなかろうか?
現に高度な通信技術(VR・5G等)が一般的なものとなりつつある今の時代は、劇中の現実世界と電脳世界の境界が曖昧になる描写と重なる部分がある。
そもそも似たような要素を取り扱ってる作品自体が、昨今では数多く存在する。
その観点で今観ると、ちょっと全体的に古臭く感じるのかなぁ。
まあこれを先駆け的にやったのは素直に凄いと思う。
未来を予見していたかのような描写の数々には若干恐怖すら覚える。
ただそれとは別に、本作には裏側にもう一つのテーマが存在する。
むしろ醍醐味はこっちの方だろう。
それは主人公の〈玲音〉という存在自体の事。
ぶっちゃけると、アニメ版の情報量だけではここの全貌は決して見えてこない。
ゲーム版の情報があって初めて彼女の真理が考察できる造りになってる。
アニメとゲーム、その2つで「serial experiments lain」という一つの作品が形作られている。
これが重要。
鬱ゲー(アニメ)といわれてる所以や、一部に根強いファンを持つ理由はここまでくると理解できる。
これに関しては、各々が感じた所に依存する部分が強いので、他人の解釈がどうとかではなく、興味のある方はまず独力で確認することをおすすめする。
単体で評価するのは非常に難しいが、アニメ作品としてはちょっと独自路線を行き過ぎてる感があるのかな。
万人に媚びろとは言わないけど、前衛アート的な尖りが取っ付きにくさを助長してる。w
思考実験としての側面があったり、付加価値盛り盛りの考察し甲斐のある作品なのは間違い無い。
廃人向けアニメとでも言っておこう。←
ただ、単純に面白いつまらない、好き嫌いでは測れない何かがある。
記録にも記憶に残る作品だと思う。
地味に5年周期くらいで観たくなる。
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[主題歌]
OP
bôa「DUVET」
ED
仲井戸‘CHABO’麗市「遠い叫び」
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