【2019年夏・秋アニメ作品{全24話}】
原作は「プラネテス」の幸村誠の同名歴史漫画。
11世紀初頭の北ヨーロッパ及びその周辺諸国を舞台に、ヴァイキングたちの生き様を描いた壮大な叙事詩。
原作は、数年前に何故か単行本の1巻のみ読んだ記憶がある。
残虐性の中に光る、人間としての美しさ、そして戦士の矜持。
かなり硬派で男臭さが色濃く出てる作品だと思う。
その上、結構グロテスクな描写や表現も多いので、確実に観る人を選ぶ作品でもある。(これをN○Kで放送してたのは軽く衝撃だったw)
突飛なアイデアで惹き付ける様な作品ではないが、人物の生き様で魅せる重厚かつ濃密なストーリーに惹き込まれる。
この作品のメインプロットとしては、主人公であるトルフィンの成長話に集約されるんだろう。
もちろんそれは大きな魅力の一つではあるが、本作の最大の見所とは、他の登場人物たちの描かれ方にあるんだと思う。
これはトルフィンの物語であると同時に、彼のためのSagaではない。
トールズ、アシェラッド、クヌート…と、登場人物の数だけのそれぞれの人生観や生き様があり、それらが互いに絡み合って初めて一つの物語として紡がれている。
序盤と終盤では、同じキャラでも視点や見方が全く違ってくるのが面白い。
特に中盤以降はアシェラッドから目を離せなかった。
もう彼が主人公って言ってもいい。
終盤になると、もう…
とにかく、ラストにはトルフィンとアシェラッドの関係性で目頭が熱くなりましたね。
アニメとしてのクオリティも抜群。
作画も高品質で背景まで丁寧に作り込まれてる。そして最後まで安定してる。
本当にWIT STUDIOの作品はいつも安心して観ていられる。
声優陣の熱演っぷりも素晴らしい。
特に悪い所が見当たらない。
何処をとっても作品作りの本気度が伝わってくる。
総合的に、非常に骨太で見応えのある傑作だった。
万人受けはしないだろうが、ヌルいアニメにゃもう飽きたぜ!って方には取り敢えず一度観て欲しい。
当時の時代背景や戦争など、正直その辺りの世界史には疎いんだが、独自の世界観がしっかりと作り込まれてるから問題無く楽しめる。
ただ、デンマーク・ノルウェー・イングランド3国の地理的な関係くらいは軽く勉強してから観た方がいいかも。
2期制作に期待してます。
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[主題歌]
OP
(前期) Survive Said The Prophet「MUKANJYO」
(後期) MAN WITH A MISSION「Dark Crow」
ED
(前期) Aimer「Torches」
(後期) milet「Drown」
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