やまもとしょういち

YASUKE -ヤスケ-のやまもとしょういちのレビュー・感想・評価

YASUKE -ヤスケ-(2021年製作のアニメ)
3.1
戦国時代の日本に存在した黒人侍を主人公にした物語というコンセプトのミュージックビデオというような感覚で見た。

荒唐無稽なストーリー、雑な展開と演出、ディティールの甘さなど、ツッコミどころも残念な点もかなりあるが、随所に差し込まれる普遍的な格言とクオリティが高すぎて作品から浮いてる音楽によってギリギリ最後まで見るモチベーションが保たれた。図らずも、作品の一体どこに比重を置くのか、という点においては日本と海外で実はかなり異なっているのではないかということを感じさせられた。

Flying Lotusのアニメ好きはよく知られているが、日本人が海外の文化を取り入れて表現する際に外からはこんなふうに見えているのか、ということを感じさせる作品というか、かなり難はあるとはいえ日本の歴史を相対化して自分たちの表現にしようとする姿勢そのものから学ぶことはとても多かった。

『天外魔境』のようなゲームの影響もあるのか、戦国時代と魔界的な要素というよくある(なぜよくあるのだろうか?)組み合わせの世界観だけでも違っていたら、「サムライチャンプルー』と並べて見れる面白い作品になっていただろうにと強く思った。