ウシュアイア

DEATH NOTEのウシュアイアのレビュー・感想・評価

DEATH NOTE(2006年製作のアニメ)
4.0
2000年代を代表する少年ジャンプのヒット作のアニメ版。

あらすじは不要かとは思うが、本作は顔を思い浮かべた人間の名前を書き込むとその人間を死亡してしまうという死神のアイテム「デスノート」が死神リュークによって人間界に持ち込まれ、デスノートを拾った高校生・夜神月(ヤガミライト)は、現在の法秩序では裁かれない犯罪者をデスノートで裁き新たな秩序の創造者となろうとする一方で、それを阻止しようとする国際的な名探偵”L”の一味との対決を描いたSFサイコサスペンス。

原作はルールその他で活字が多く読んで理解するのに消耗してしまうが、本作は原作に沿いながらも脚本と演出により分かりやすくなっていてよかった。

また、原作本編では、夜神月の思想が正しいかどうかという議論は一応なされるものの、最終的にLの後継者であるニアが夜神月がデスノートを使って制裁加えていたことを暴いて勝利したことで、月の思想は否定されて勝った方が正義という印象の終わり方で、あくまでも戦デスゲーム作品である。アニメでは、特に最終話でニアが月を追い詰める際の正義の議論が大幅にカットされていることからも、そうした善悪論が排除されていたことがよくわかる。

後発の『プラチナ・エンド』を観たことで善悪論や幸福論についてやはり『プラチナ・エンド』に持ち越されていることがよくわかる。

夜神月父の
「悪いのは人を殺せる力だ。 そんな力を持ってしまった人間は不幸だ。 どんな使い方をしても人を殺した上での幸せなど、真の幸せであるはずがない」
というセリフの検証は本作ではなく『プラチナ・エンド』に持ち越されている。

改めて『DEATH NOTE』を観ると『プラチナ・エンド』も楽しめるのではないかと思う。というよりも、『プラチナ・エンド』は『DEATH NOTE』を補完する話になっている。

実写映画版はかなりストーリーの改変が行われたが、月の最期は同じであるが、アニメは大きく改変されていた。ちょっとここが不満。この部分はコメント欄のネタバレ隠しにて。
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