平凡な女子中学生がセーラー服美少女戦士(自称)となり悪と戦う90年代&日本を代表するアニメ第1シリーズ。フェイバリットのレニー・ハーリン監督も今作のファンらしく、当時妻だったジーナ・デイヴィス出演で実写化したいと言ってたとか(!?)。リアルタイムな世代ながら放映当時は「男子は観ちゃいけない」的意志も有り、少し興味は有ったけど堂々と観れなかった作品だったり。
序盤は主人公の月野うさぎが強くない&仲間のセーラー戦士も少ないせいか妖魔と呼ばれる敵に手も足も出ない→強い味方であるタキシード仮面に助けられるというパターンが多めながら、妖魔が占いにダイエットにペット、果ては豪華クルーズ等女性が興味持ちそうなものを利用する為エピソードはそれなりにバラエティに富むもの。ルナという喋る三日月ハゲの猫が相棒という設定にも言えますが、戦士達は実年齢よりスタイル良く大人っぽく描き服装も頻繁に変わり、各エピソードで時に女子アナに女医、CA等女子憧れの職業に変身したりと女性が好きなものをこれでもかと詰め込んだ作風は人気が出るのも納得かも。
ダークキングダムの四天王ネフライトとうさぎの友人なるちゃんの儚い恋を描いた中盤辺りからはセーラー戦士一人一人をフィーチャーしたエピソードも増え内容は更に濃厚に。タキシード仮面との関係性が変わる終盤は前世の記憶を掘り下げることで大きなテーマが覗かれ、うさぎも以前より知恵を働かせれば、いつもはトラップを仕掛けられる戦士達が逆に妖魔にトラップを仕掛けたり一話のみ登場と思われたキャラが再登場、決め台詞を言ってる最中に突っ込まれたりと意表を突く展開も多く用意。安心と切なさが入り混じった「振り出しに戻る」エンディングも絶妙かもしれません。
特に印象的なエピソードはなるちゃんという優しい人間と触れることで良心に目覚めるも時既に・・なネフライトの姿が哀しい第23話~第24話、三枚目キャラの海野ぐりおの勇姿が観れる第26話、広告のキャッチコピーがレイや雄一郎へのメッセージにくるくる変わったりオネエ四天王ゾイサイトがネズミの大群に巻き込まれたり路地故にいつもの技が決まらない戦士達がユーモラスな第31話、美奈子のイギリス時代の悲しい恋を描いた切ない第42話。
一番好きなセーラープルートこと冥王せつな(不人気らしい)はまだ登場せず。5人の戦士の中では野暮ったさギリギリの毛量多めの艶の有るロングヘアに脚が際立つ戦士唯一のハイヒール姿、うさぎと喧嘩しても二人称は「あなた」で時々雄一郎をさん付けし、うさぎのペースに巻き込まれがちながら心の根底には強い母性を持っている(35話「うさぎ、自信を持ちなさい。あなたなら大丈夫」、43話の下心無しで素直に言ったと思われる「私が代わりにやろうか」等参照)マーズこと火野レイが一番好きです。
第6話のジャズピアニスト、ネフライトの愛車がそれぞれハコスカ(3代目日産スカイライン)、フェラーリ・512TRがちょっと渋い&かっこいい。あくまで女子向けアニメですがこれらの作画が割としっかりしているのも好印象でした。