Ayariri

ましろのおとのAyaririのネタバレレビュー・内容・結末

ましろのおと(2021年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

いつかのどこかで番宣を観て気になってた作品で、ふと思い出しアマプラにて視聴。
作者は「赤ちゃんと僕」の羅川真里茂さん。青森出身の方らしい。

津軽三味線の名手であった祖父亡き後、津軽三味線を通して人と出会い、自分と向き合い成長していく高校生の男の子のお話。

1話目に限っては展開が早くてガチャガチャした印象だったが、2話目以降徐々に落ち着き、最終話に近づくにつれどんどん面白みを増していき、クライマックスからの、衝撃のラスト。これには、胸が痛くなった。

津軽三味線イコール祖父、であった主人公の世界は、上京してさまざまな人と出会うことで一気に押し広げられる。
戸惑い、周囲と衝突しながらも、今まで自覚のなかった自分というものに徐々に目覚めていく。
そして、これまでの自分は誰かの真似でしかなかったことに気づいてしまった時の絶望感が、許されるのなら自分は自分自身でありたいという願いへと変わって行く。

毎話、独奏、セッション、合奏など
津軽三味線のさまざまな演奏シーンがあり、キャラクターごとに異なった演奏の仕方やクセがきちんと表現されていた。
演奏については吉田兄弟が監修しているとのことで、作り手側の本気度が伺えるが、反面、制作はかなり大変だったろうということも推察された。

終わり方が終わり方なだけに、続きが観たくてたまらないが、今のところ続編はないようだ。
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