このレビューはネタバレを含みます
「鳥山明は認めてない」って言ってる人をよく見かけるけど、「優秀なアニメスタッフのおかげで安心して見届けることができました」って言及してるし、DVDBOXのメッセージと一緒に超4悟空のイラストを描いたサインを添えたりしてるから、認めてないんだったらそんなことしないでしょって見かける度に思ってる。
それにドラゴンボールエボリューションとか、超の序盤を見て苦言を呈してたのにGTは褒めてるんだし。
GTって名前とグランドツーリングって意味も、パンのデザインも鳥山先生の案だし。
序盤のドラゴンボール探しも原点回帰でコミカル面が強くて、悟空も子供の姿だから懐かしい気持ちになれるし、時々見せる超サイヤ人がかっこいい。
ブウ編から15年経ってるから、その辺の敵じゃ相手にならず舐めプをしてたのも嬉しかった。
ベビー編の絶望感はシリーズを通して屈指だと思う。
比較的マイナーなOVAの「サイヤ人絶滅計画」の設定を引っ張り出してくるのも秀逸。
超サイヤ人4は悟空で1番好きな変身。
サイヤ人編以降ほとんど触れられなかった大猿にスポットを当てるのが凄いし、見た目も黒髪で大猿の体毛もあって、本来の純粋なサイヤ人を彷彿とさせる野蛮な見た目で大好き。
初変身の経緯も、大猿化したら理性を持つことができない下級戦士なのにパンの涙で理性を取り戻して静かに覚醒するところがめちゃくちゃ良いし、誰も止めることが出来なかったベビーをボコボコにするカタルシスが最高だった。
変身前でブウ以上の敵のリルドにすら本気を出さなかったのに、本気を出しても勝てなかったベビーをボコボコにするのが気持ち良過ぎる。
超17号編だけは唯一好きじゃない。
クリリンの死で18号が激昂するところとか、ベジータの「オレはサイヤの誇りを持った地球人だ!」は良かったけど、それ以外はイマイチだった。
スーパーウーブよりも悟空の超サイヤ人1が強かったのが意味不明だし、何より17号に救いがなかったのが最悪。
リルドも変身前の状態でブウ以上に強いはずなのに、メタルリルドがアッサリやられてて意味不明だった。
惑星M2じゃないから本来の力が出せないのかな。
邪悪龍編は四星龍が出てくるまではイマイチだったけど、四星龍が出てきてから面白くなるし、一星龍が出てきてからはもっと面白い。
特に良かったのはやっぱりベジータが超サイヤ人4になるのと、ゴジータ4になるのと、元気玉で締めるところ。
エリートサイヤ人なのに一時期に理性を失ったのも、20年以上尻尾を失った状態から強制的に生やされて大猿化してるから無理のない展開だし、デザインもかっこいい。
そしてそこからフュージョンするのも最高。
「フュージョンするぞ、カカロット」
「最高だぜ……ベジータ」
このやり取りは何回見ても痺れる。
ポタラの時はめちゃくちゃ嫌がってたのに、地球を大好きになって丸くなって自分から持ち掛けるほど成長してたのが良かった。
そして最後は元気玉。
ベジータが元気玉を見て「貴様の負けだ!」って勝ちを確信するのがめちゃくちゃ良いし、「こいつはなぁ!地球人みんなの願ぇだ!めちゃくちゃにされた地球の叫びだ!」って悟空のセリフもかっこいい。
ベビー編で結局地球が爆発したから、序盤のドラゴンボール探しの旅は無駄かと思ってたところに、宇宙に行ったことを活かす宇宙のみんなからの元気玉。
BGMも合わさって最高のシーンだった。
そしてなんと言っても最終回が最高すぎる。
あそこまで綺麗に終われる作品を見た事ないし、今まで見てきた作品の締め方で1番好きかもしれない。
最終回は何回見てもずっと泣きながら見てる。
悟空の異変に気付くのがベジータ、ピッコロ、亀仙人なのが凄くエモいし、Z以降では便利アイテムとして使われてたドラゴンボールを神秘的な存在に戻してくれたのが最高だった。
悟空は神龍と一緒に消えてしまったけど、100年後のTVSPではドラゴンボールが復活してるから、最終回で悟空Jr.の試合を見に来たのが幻じゃないって分かるのもいいし、ドラゴンボールを使い過ぎた罪が100年経ってようやく許されたんだろうなって考えさせられるのがめちゃくちゃ良い。
前の回で超一星龍を倒して、最終回は後日談に振り切ったから駆け足感もないし、違和感も無くまとめられてた。
クリリンとの最後の組み手も最高すぎる。
そこで涙が更に溢れてくる。
「お前はすっかり子供の時みたいだしよ、武天老師様も昔と変わんねえ。なんか、俺だけ年取ってよ、すっかり変わっちまった。」
クリリンのこの発言に対して悟空がクリリンとの組み手で攻撃をわざと食らって、
「昔のまんまだ!ちっとも変わってねえぞ」
って親友に最後の言葉を残して消えるのが良過ぎる。
そして最後に波で悟空の足跡が消えるのも好き。
最後は舞台が100年後になって、TVSPでは超サイヤ人になったことすら覚えてなかった悟空Jr.が修行して自由になれてたのも良いし、最後の勝敗を悟空ファンとベジータファンを不快にさせないために視聴者の想像に委ねるところも秀逸過ぎる。
エンディング映像もGTはほとんど使わず無印とZがほとんどなのが「あぁ、本当に終わっちゃうんだなぁ」って感じ取れて泣ける。
ドラゴンボールの締め方としては原作最終回よりも好き。
究極のドラゴンボール編⭐︎3.9
復讐鬼ベビー編⭐︎4.8
超17号編⭐︎2.4
邪悪龍編⭐︎4.0
最終回⭐︎10000
誇張抜きで自分の中ではこんな感じ。
インフレがちゃんと分かりやすく物語で進むから、超みたいに「どっちが強いん?」ってのがほぼ無いのも良かった。
主題歌も全部最高。
「悟空がいたから楽しかった」