洋画好きのえび

レベルEの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

レベルE(2011年製作のアニメ)
4.4
10年以上前のアニメですが、原作が大好きなので思わず見てしまいました。製作に今はなきスタジオぴえろが入っているというところに時代を感じましたね… 『学校の怪談』も好きだったなぁ…
なお、アニメ用にちょいちょい原作からストーリーが改変されたり、アニオリがあったりしますが、悪くないです。

本作は、『幽☆遊☆白書』、『HUNTER×HUNTER』の作者である冨樫義博の短編集『レベルE』をアニメ化した作品です。『幽☆遊☆白書』の連載終了後、アシスタントを使わずに全て一人で漫画を描いてみたらどうなるのか?という実験的な試みで描かれた作品ですが、1995年に連載されていたとは思えないほど、斬新なストーリー展開や今でも笑えるギャグの多さに驚きます。また、絵も細かくて綺麗です。HUNTER×HUNTERのこれ下書きか??と思うレベルの絵しか知らない方には是非この『レベルE』を読んで欲しい。冨樫が本気で描いてちゃんとベタ塗ってトーン貼った絵は凄いんだよ…
個人的には、この『レベルE』が冨樫作品のなかで一番面白いと思っています。冨樫先生のストーリー作りの才能が一番表れている気がするんですよね。

物語は、高校一年生の筒井雪隆が高校進学のために一人山形に引っ越してくるところから始まります。中学で野球部に所属していた雪隆は、その才能を見込まれて山形にある如月高校にいわゆる野球留学をする形で入学することになり、山形で一人暮らしを始めます。初めての一人暮らしに心を躍らせながら雪隆が引越し先のアパートに足を踏み入れると、そこには何故か知らない若い男が… 名前や素性を聞いても「記憶がない」と言い張るその男は、「自分は宇宙人だ」と言うのですが、雪隆にはただの頭のおかしい男にしか見えません。しかし、丁度TVでは「山形県の山中に墜落している謎の宇宙船らしき物体が発見された」というニュースがライブ映像として流れており、自称宇宙人はこの船に乗って地球に来たと言うのですが…

実は地球には数多の宇宙人が飛来しているものの、地球人はそれに気付いていない、という設定で、様々な宇宙人と地球人との交流が描かれます。全ての話が関連しているわけではなく、オムニバス形式ですが、上記の自称宇宙人がキーパーソンとなってストーリーが進んで行きます。ブラックジョークあり、考えさせられる話あり、ギャグあり、冨樫作品でお馴染みの推理ものありと、一つの作品の中に様々な要素の物語が入っていて面白いです。
本作のキーパーソンである自称宇宙人を浪川大輔さん、自称宇宙人に振り回される可哀想な人物クラフトを子安武人さんが演じているのですが、この二人の演技が素晴らしい。あんまり細かく書くとストーリーのネタバレになってしまうので詳細は書けませんが、原作のハイテンションな掛け合いも忠実に再現されており、原作大好きな私でも大満足でした。あと、なぜか最終話にしょこたんがメインキャラの声優として出ていますが、しょこたんも演技が上手でしたね。

世間的にはあまり知られていない作品ですが、SFものが好きな方ならハマると思いますので、ご興味あれば是非ご覧ください。
ちなみに、アニメ版よりも原作の方がディープかつブラックなので、アニメを気に入った方には原作もご覧になることをお勧めします。