あんへる

DARKER THAN BLACK -黒の契約者-のあんへるのレビュー・感想・評価

DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(2007年製作のアニメ)
4.2
【2007年春・夏アニメ作品{全25話+OVA4話}】


《死神は偽りの星空の下で夢を見るのか?》


ボンズ制作のオリジナルバトルアクションアニメ。

〈契約者〉と呼ばれる特殊能力を身に付けた者達の異能バトル。
そしてダークな世界観とシリアスなストーリー展開に惹き込まれる作品。

話の構成も少し特徴的。
主に2話分(前後編)で一つのエピソードが描かれるオムニバス形式で物語が進んでいく。


ボンズ作品ってことで、まずアクションシーンに目が行く。
細かいことを言えば、今見ると所々作画の古めかしさは否めないものの、やはりキャラの動かし方やカメラワーク等の拘り抜いた魅せ方には舌を巻く。
特にヘイのワイヤーアクションはこの手のシークエンス最大の見せ場だろう。

感情が希薄な契約者同士だからこその冷徹且つ機械的なバトルは何処となく異質ではあるものの、迫力も見応えも十分。

主人公のヘイも強いんだけど、無双的な強さでは無いので毎回結構ボロボロになる。
今思えば何だかジョン・ウィックぽいなw
(飼ってたのは犬じゃなくて猫だがww)

ただ異能の人外ではなく、人間的な弱さも垣間見えるからこそ魅力的に見える部分があるんだろう。


各エピソードで描かれるのは人間ドラマ。
ストーリー特化型のバトルアニメと云われるだけのことはある。

漂う雰囲気が終始渋くて味がある。
悲しく暗い話が多いが、あまりドロドロとした嫌味な要素は感じない。
シリアスではあるがアニメ的でとても観やすい造りに感じる。

ただ、正直エピソードによってはシナリオのクオリティに差を感じる。
どうしても2話分っていう括りの中では、やはり部分的に無理矢理な展開に感じてしまう所もある。

あと残念なのは結末が超展開気味で若干モヤモヤする。
キャラや設定等で、あれ結局何だったの?感が残る。
まあ完結はしてないんでね。(2期もあるんで)


まあ個人的には細かい設定が云々ってより、とにかく雰囲気と余韻重視のアニメだと思ってる。

不親切設計に思うかもしれないが、説明不足も想像する余地を残していると捉えてみてほしい。

実際の風景に基づいた丁寧な背景描写から、現実とSFが混在する舞台設定まで、リアルともファンタジーとも言えぬこの絶妙なバランスが癖になる感覚。

物語と共に、随所に挿入される小粋なBGMにも哀愁を感じる。
当然菅野よう子の音楽性も作品に彩りを添えてる。

あと各話サブタイトルが詩的でとても良い。


ちなみに、順番的には2期の前にOVAを観た方がいい。
その方が断然分かりやすい。



どーでもいいけど当時からずっと思ってたこと。

アンバーとコードギアスのC.C.見た目そっくり過ぎじゃね??w
(しかも確かこれコードギアスの直後くらいに放送してたよね?)

いや、なんつーか、、、
この年代はほんと名作多かったよねw


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[主題歌]

OP
(前期) abingdon boys school「HOWLING」
(後期) アンティック-珈琲店- 「覚醒ヒロイズム 〜THE HERO WITHOUT A "NAME"〜」

ED
(前期) Rie fu「ツキアカリ」
(後期) HIGH and MIGHTY COLOR「Dreams」

OVA版
石井 妥師「DARKER THAN BLACK」

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