このレビューはネタバレを含みます
一度は挫折したものの、再チャレンジした本作。
なぜ挫折したのか分からんくらい面白かった!
SFの舞台設定が気に食わんというレビューもあるが、私は監督なりの配慮だと思った。
原作は恥ずかしながら読んだことがないのだが、ネットで概要を拾い読みしたところ、ナポレオンの時代が舞台なよう。
フランスは王政と共和政を交互に繰り返してきた歴史があるが、そうした背景知識がなければ、原作のまま理解するのは日本の人には難しいだろう。
だから、思い切って歴史とは切り離したと考えられる。
※SFの詰めが甘いのは認めざるをえないが。
本作で一番好きなのは、フランツ。
彼はアルベールのことを愛していたが
友愛ではないことをわかっていたので
(原作の時代的に)結婚できないと悟っていた。
だからこそ、せめてアルベールのために死んだのだろう。
美しすぎる……。
死を礼賛するわけではないが、フランツの愛には脱帽だ。
<< Attendre et espérer>>を
「待て、しかして希望せよ」
と訳した訳者さん、センスありすぎ。
※直訳すると、「待て、そして希望せよ」。
何かに絶望した時、きっと見返したくなる作品。