シズヲ

スクライドのシズヲのレビュー・感想・評価

スクライド(2001年製作のアニメ)
4.0
“熱い作品”であっても決して“熱血アニメ”ではないのが印象深い作品で、所謂グレンラガン的な熱量を期待すると確実に面食らう。荒廃した大地で男二人が戦い続け、互いに己の生き様を貫き通していく様は寧ろハードボイルドや武侠の類い。渋味のある作風も含めて、ある意味で西部劇に通じる部分もあるかもしれない。そしてReckless fireやMagmaなどの楽曲がいずれも素晴らしい。

「意地があんだよ、男の子にはなぁ!!」「速さが足りない!!」などのパワフルな台詞回しがやはり強烈で、それらを裏付けるキャラクターの存在感もやはり印象深い。無頼のアウトローとして何処までも道を切り開いていくカズマ、宿敵に触発されるように己の信念を貫いていく劉鳳、主人公二人の対象的なキャラの立ち方なんかは抜群に格好良い。クーガー兄貴や君島などの印象的な登場人物らもやはり好き。作風の男臭さと対照的に、かなみやシェリス、みのりさん(水守です)など、女性キャラはみな愛に生きているのがさりげなく印象深い。

アルター能力に関してはやはり“真正面からブン殴る”だけのシェルブリットの清々しさが最高。あの拳の握り方は真似したくなる。とはいえ全体的には小細工か力押しかの二択なので、能力バトル的駆け引きはあまり印象に残らない。でもまぁ「僕の玉が!!」だの「助けて!!スーパーピンチクラッシャー!!」だの妙に強烈な能力が少なくないので結局は印象に残ってしまう。そんで全てが終わった後に「喧嘩のケリを付ける」という、ただそれだけの為に決闘が始まるのがやはり好き。男の子には意地があるんだよなあ。
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