宝塚音楽学校をモチーフに、目を背けたくなるような女の子だけの世界の生々しさと、純真な夢を叶えるために青春を捧げる尊さが絶妙なバランスで共存する青春群像劇の傑作。
舞台映えする高身長と歌舞伎仕込みの体幹、憑依型の演技力という圧倒的なカリスマ性を持つ主人公、渡辺さらさ。国民的アイドルグループのメンバーだったのに無表情で何事にも関心が無く、幼少期のトラウマが原因で極度の男性不信な奈良田愛。
桜の木の下で運命的な出会いを果たし、ルームメイトになった2人の関係性がドラマチックに変化していく過程がひたすらに尊い。最初こそさらさの一方的だった想いがある事件をきっかけに愛へと届き、それに加えて舞台に魅せられてしまった愛が「さらさと同じ舞台へ立ちたい。友達になりたい」と願うようになるとか尊すぎて泣いた。
数年に1人の歌唱の才能を持っているのに劣等感を抱えて思い詰めてしまう地味キャラとか、圧倒的なカリスマ性を持つ天才な主人公を意識し続けなければいけない秀才の委員長キャラとか、主演2人以外も個性的なキャラクターが揃っていて堪らない。
個人的には可愛らしい見た目で花澤香菜ボイスなのに腹黒な聖先輩がぶっ刺さりすぎてやられました。
歌劇（宝塚）という世界の特異性を際立たせるために歌舞伎やアイドルの世界を比較対象として描写するのも上手いよね。
二期はよ！！
