センカン

魔法少女リリカルなのはのセンカンのレビュー・感想・評価

魔法少女リリカルなのは(2004年製作のアニメ)
4.1
深夜枠魔法少女アニメの草分け的存在

なのはさんの伝説の始まり。魔法の才に恵まれた事以上に、不屈の根性で自分の信じた道を歩み続ける精神力が彼女の魅力であり、この後の続編に続く原動力になったなと感じてます。
※先に言っときますが好きな作品なので今回レビュー長めです。

才能に驕らず努力を欠かさない姿ってカッコいいすよね。小3の女の子に尊敬の念を抱くという恥じらいの無さであります。
魔法少女の割にシリアスなストーリーで、ヒロインのフェイトちゃんの可愛さと辛い運命も見所ですね。まどマギの新房監督が作ってるって辺りでお察し下さい。

なのはさんやフェイトちゃんをヨイショしといて難ですが、一期を象徴する名言があって紹介します。それは3人目の魔導師クロノくんの言ったコレ。

「世界は、いつだって……こんなはずじゃないことばっかりだよ!(中略)、自分の勝手な悲しみに、無関係な人間を巻き込んでいい権利は
どこの誰にもありはしない!」

ファンタジーだけどこの言葉はとてもリアルで、形こそ違えど皆抱えてる命題、でもどんなに認められなくてもその辛さに他人を巻き込んではダメ、いつだって答えは自分の中にある。これを2期まで観るとクロノくんの言葉の重さが一層のしかかるんです。その歳で人生背負い過ぎたよ…

あ、ユーノくんを魔導師に数えてなかった…まぁ変態フェレットだからいっか。

これまでに無かった派手な魔法戦も作品の魅力で、なのはさんが魔砲少女の名を冠するほどバカスカ撃ちまくります。
魔法の概念自体が不思議な現象ではなく、異世界の体系化された科学と考えた方が納得しやすいですね。この設定の土台のお陰でこの後の世界観の拡げ易さにも繋がったんだなーと考えてます。

も少し視野を広げると、最初に書いた通り深夜枠での魔法少女はコレきっかけで増えたと認識してます。
以前の魔法少女といえば、90年代のセーラームーンやCCさくら、プリキュアシリーズなど女の子の憧れる存在、まぁさくらちゃん辺りは男性ファン増やしたからこれはこれで転換点なのですけど、一応ベースは少女漫画ですよね。なのはさんが深夜枠での魔法少女の存在感を獲得した事で、後の世のまどマギ、ゆゆゆ、プリズマイリヤなどなど、多くの魔法少女モノの先駆けになった重要な作品だったと考えています。

最後に余計な事言うと、コレ何が凄いって元ネタが18禁美少女ゲームのスピンオフ作品だってコト笑、有名声優が名前変えてその手のゲームに出てるの知った時くらいの感慨深さがありますね。
まぁメインキャラのそういうシーンは元ネタの方には無かったからまだ傷は浅いんですけど。


点数内訳
世界観:4
ストーリー:4.5
キャラ:4.5
音:4
映像:3.5
スコア:4.1
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