あんへる

ぼくたちのリメイクのあんへるのレビュー・感想・評価

ぼくたちのリメイク(2021年製作のアニメ)
2.6
【2021年夏アニメ作品{全12話}】

フロントウイングがプロデュース…?
と、色々気になったんで調べてみたら、ほぇ~いつの間にかブシロードに買収されてたんですねぇ。
そして原作者はグリザイアシリーズで一部キャラシナリオを担当されてた方らしい。

一言でいえば《時をかけるクリエイター》ってところ。
失意の主人公が何故か10年前にタイムスリップし、当時選ばなかった芸大進学の道を選び、憧れのトップクリエイターたちと共にもう一度人生をやり直す(リメイクする)って話。

テーマとして人生リメイク(時間遡行)っていう大きなストリームを初めから確立している分、やってること&やるべきことは至ってシンプルだし、実際ストーリー上の要所要所で一定のダイナミズムを作り出せているとは思う。
ある意味セオリー通りではあるんだけど、何故か全く惹かれない。
特に前半部分(7話位まで)は死ぬほどつまらなかった。あと導入部が苦痛ってのはこの手のアニメじゃ割りと致命的な気がする。
要するに技術的な問題だと思う。
作品を通してアニメ的、映像的な創意工夫が欠落していたように感じる。

文化祭のライブで「God knows...」を歌う件は、丁度2006年(ハルヒ1期の放送時期)という時代設定も相まってオタク心理的には結構心憎い所ではあったんだけどね。
なんというか、こういった部分でもう少し演出面なり幾らかやり様はあったと思うんだけどなぁ…。
そういう所で作品としての貧弱さ脆弱さが露呈しているというか。

とは言っても、まあかなり中途半端な結末だったし、むしろ話的にはこれからがピークだって所でぶった切られた様な、所謂“俺たたエンド”みたいな少年誌でいう打ち切り風の幕引きではあったので、色んな意味で相当無茶なアニメ化だったのかもしれない…なんて邪推したりもする。(総集編も入ってたし)
その点もう少し尺があれば…っていう惜しさは少なからずあるのかもしれないが。

因みに公式のスピンオフで10年前に戻ることがなかった世界での話の作品もあるらしいが、寧ろそっちのルートの方が個人的には興味があるっていうね。w

そもそも主人公が傍から見ればただの有能でしかないので、感情移入し難い上にいちいち言動が鼻につく感じはある。
ついでに言うと主人公役の声優さんは申し訳無いが明らかに実力不足だと思う。
感情に表現力が追い付いていない感じが常にあった。

まあ言ってしまえば、キャスティングから主題歌に至るまでゴリゴリのブシロード絡みって時点で正直不自然極まりなかったんですけどね。
事情が事情なんで仕方がないにしても、もう少しやり方というか作品のノイズにならないよう自然に見せる工夫はしてほしかった気はする。


関係無いけど本作を観終わった今、改めて冴えカノってよく出来てるアニメだなぁって思い知りましたね。


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[主題歌]

OP
 Poppin'Party「ここから先は歌にならない」

ED
 Argonavis「可能性」


[挿入歌]

 「そばかす」(※カラオケ)

 小暮奈々子(愛美)「God knows...」

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