友二朗

86―エイティシックス― 第2期の友二朗のレビュー・感想・評価

4.5
「平和なふりをして生きていく事は俺達にはできません。たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのが、俺達の選んだ生き方です。それを奪わないで貰えませんか」

「やめよ。エルンストン。ようやく迫害の檻を逃れたその者らを、今度は哀れみの檻に閉じ込めるつもりか?それは共和国とやらの仕打ちと結局は変わらぬという事が分からないのか?」

「そなたらにとって、己の形を保つに誇り以外ないのはよう分かる。じゃが、それは人としては欠落した生き方じゃ。人は地縁と血縁によってかたどられるもの。いずれも持たずただ己のみが己を規定する魂は己を失えばたやすく崩れる。そのことは心に留めておけ」

「たとえいずれ死別するにしても会わぬより会うたほうがよい。覚えておいてやれるからの」

「死なせません」
「なら俺達より生きて欲しかった」
「置いていかないで」
「そう望まれたのはこちらの筈です」
「忘れません」
「さよなら」

「貴方達は、貴方達を守らない祖国のために十分戦った。だから」
「だから、あなたがたの正義感と同情心を満たすために俺たちであることを辞めろと、そう言うのですか?助けられた事は感謝しています。ですが、だからといって憐れまれるいわれはありません。戦うなと言われる筋合いも。他のヤツだけ戦わせて戦場から逃げ誰かに首を括られるまで目を背けて生きるような共和国の奴らと同じものに成り下がってたまるか!」

「1番ヤバイとこに選ばれたのは僕達がエイティシックスだからだよね。ま、エイティシックスだから行くんだけど。なんかちょっと寂しいかな」
「そうだな」

「そうまでしてやる義理が?」
「勿論。溺れた子犬を拾うみたいに、同じ人を救おうとした傲慢な私達が負うべき当然の責任よ」

シンとフレデリカの会話が深くて素晴らしい。語彙力に驚かされる。

「戦い抜くと言うならせめて最後まで戦い続けられるように一緒に戦うのが私の役目よ。貴方達が辿り着いたこの国も所詮理想郷には程遠かったけれど、でもこれだけは覚えておいて。この国では誰も貴方達の戦死を望んではいない。むしろ死なないで欲しいと願っているの」

「それからもう一つ、これが最重要任務だ。帰ってきなさい。全員で」

「帰っておいで 必ず」

「そう、必ず帰っておいで。でないと僕はこの世界を滅ぼしてしまうよ」

「戦友諸君、傾注を。これより西方方面軍は全軍をもってレギオン支配域に進軍する。これは我ら共和制ギアーデ連邦および友邦ロア=グレギア連合王国、ヴァルト盟約同盟のみならず、助けを求める声さえ届けられずにいるかもしれない周辺の善隣諸国の命運をも左右する人類史上最大の作戦である!諸君は祖国同胞を堅守する強き盾であり!また人類の未来を切り開く鋭き剣だ!我ら世界に誇る正義たらん!戦い、勝ち取った使命を胸に勇猛に果敢に前身せよ!!」

素晴らしい台詞。

「損害を報告!まだ戦闘は終わってないぞ!お前たちに守りたいものがあるなら戦え!顔を上げろ!前に進むんだ!」
「引かねえんだな。連邦は」
「もう少しだ。あと少しだけ持ち堪えろ。そうしたらあのクソ忌々しいエイティシックス共が、そうしたら俺達の勝ちだ!」

「神速の加護があらんことを!!!!」

レールガンの電気の演出素晴らしい。

「わらわは人質だ。戦場からではない、生還の義務からそなたらを逃さぬためのな。かよわくいたいけわらわを巻き添えにするのはそなたらとて本意ではあるまい?」

「お前の道だ。お前が決めろ」

「僕達は所詮、"死ぬまで一緒にいて"としか言えてないからね。一方的に頼ってるだけで、いつかいなくなるつもりだったのはその通りだよ」

「そなたが今進む事に慄いておるのはそなたが正しく先を見据えようとしたからじゃ。道なき行く手を直視しようとしたからじゃ」

「たとえ力及ばなかったとしても諦めて膝を折るような無様はしない。命尽き果てるその最期の瞬間まで投げ出す事なく戦い抜く。そう言って生き抜いた人達がいて、同じようにあれると彼らは私を信じてくれました。だから私達は、私は!生き抜いた彼らに追いつくために、彼らを連れてその先まで進むために戦うんです!私は旧共和国防衛部隊指揮官 ヴラディレーナ・ミリーゼ大尉。私はこの戦、決して逃げません!!」

「まだ名乗れない。"追いつく"と言われたから。追いついて辿り着いた先がこんなありさまじゃあんまりだろう。進んだ先で彼女が見るべき景色はこんな戦場なんかじゃない」

「また来るよ。お前が見たことのないものを伝えに」

「良かったな。笑ってて」

「俺には、俺を置いていく気のないヤツらがいる。俺でいいと言ってくれる人がいる。だから、たぶんもう大丈夫。自分で行ける。ありがとう。分かってる。お前達の事も忘れていない。俺は、死神だ。戦おう。レギオンに閉ざされた今のこの世界のままでは果たせないから。彼らのために、アイツらのために、彼女のために」

「罪を自覚しない市民にはいずれも罰にはなりえません」

「忘れません、忘れません、忘れません、忘れません.....忘れません.......戦おう、戦うために、生ききるために」

「すみません閣下、お待たせしました」
「いいえ。誰かを悼む時間に遅いなどとは思いませんよ」

「はじめましてではありませんよ。もっともお目にかかるのはこれが初めてですが。お久しぶりです。ハンドラー・ワン。ギアーデ連邦軍大尉、元スピアヘッド戦隊戦隊長シンエイ・ノウゼンです」
ここで少し涙を溜めるシン。

「ずっと追いかけていました」
「知っています」
「追いつきましたよ」
「ええ」
「これからは私も一緒に戦います」

最高のアニメ。
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