肉鹿

コジコジの肉鹿のレビュー・感想・評価

コジコジ(1997年製作のアニメ)
3.8
メルヘンの国の3年インコ組(セキセイ) みんな人間たちを楽しませるため立派なキャラクターになる日常は、メルヘンとファンタジーとナンセンスに彩られていたのだ———「ちびまる子ちゃん」のさくらももこ原作。

最近の心のビタミン。100話もあるけど1話=1錠になりえる不条理ギャグと哲学が配合されてて多ければ多いほど嬉しくなるよきお薬。

魅力のひとつは個性が豊かすぎるキャラクターで、さくらももこ先生の頭の中を「ちびまる子ちゃん」よりダイレクトに覗いてしまった気分。きっといくつも分身がいそう。
そのなかでも半魚鳥の次郎くんが好き。人間社会で1番多いタイプはきっと次郎くん🧀🐮

小学校と高校が混ざり合ったようなハイブリッド加減も素敵で、「ちびまる子ちゃん」ではありえない同級生が結婚してたり同級生に誘拐されて身代金300万円要求されたり、ひとり暮らし始めて副業の神になったりと結構お金の問題多めなのはメルヘンのかけらもない😂
でもそんな小学生みたいな頭のメルヘンさで世の中渡っていこうとするキャラクターたちが、より現実社会に近い気がして身近に思えてくるのが不思議な感覚。人間もだいたいこんなもん。

単純に笑えたり感情の行き違いに悩んだり友情に泣けたりする話も多いけど、29話「長生きばあさん」みたいな死生観を巡るお話もさくらももこ先生の真骨頂だと思う。
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