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チェンソーマンのgockのレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
1.0
原作漫画が大好きだがアニメはめちゃくちゃ期待外れでした
良かったところは米津玄師の主題歌によるOPと綺麗な作画とアキや姫川のモーニングルーティンや飲み会など日常描写を金かけて描いてるとこだけでした
「デンパワとコベニが海水浴してる」などの本編にないシーンをわざわざPVのために作ってた放映前のPV観た時に「これは悪い意味でのサブカル臭いアニメになりそうだな」と嫌な予感してました
★まず鬼滅の刃や呪術廻戦のアニメにも言えるけど展開が異常に遅いです。話が面白いのでアニメだけで観てる人はこれでも面白いかもしれないが、原作は展開の異常な速さが魅力の一つなので永遠の悪魔に三回もかける意味がわからない。なんで三回もかけたのかというと蛇の悪魔とサムライソードでシ-ズン1を終えるための帳尻合わせと言うだけ。蛇の悪魔とサムライソードが出た回はさすがに面白かったけど、これは原作からして怒涛のように色々起こるからですし
★アクションは異常に引きだったり逆にアップ過ぎたりして見にくかったです。曲に合わせたMVなどで、最も盛り上がる箇所で逆にキャラを動かさずじっとさせるズラした演出がカッコよかったりするのはわかるが本作は正にそれをしようとして失敗した感じのアクションだった。漫画も実はアクション描写に凝っておらず「物事の結果」みたいな決め絵をバンと見せらうだけなのでアクションは期待してなかったけどそれにしても意味のわからんアクションが多くてショボかったです
「アニメっぽい記号的演技させず実写みたいに描く」という感じで描いてるせいか、原作では楽しかったギャグシーンとかが全部、普通に険悪なムードで喧嘩してるだけみたいになってしまった
★あと僕も「チェンソーマンをアニメ化するなら声優はアニメ演技じゃなくナチュラル演技の方がいいかな」と妄想してたので悪く言えませんが、ボソボソ喋ってるのが本当に聞き取り難かったです(特にツダケン)。一人だけアニメっぽい演技を許されてたのはファイルーズあい氏のパワーだったので「僕が間違ってた、やっぱりメリハリある演技の方がよかった」と思った
★そんな感じで本編が殆ど微妙だったので、本編が良ければ楽しめたはずの「エンディング曲が毎回違うサブカルっぽい曲」「新しい作品だけど無理矢理アメトーークで特集してもらう」「アキが表紙のanan」「原作者の藤本タツキが、自信の幼い妹という設定で平仮名で呟いてるTwitterアカウント」などの要素が全て反転した上に、一つ一つは好ましい要素なのにも関わらずそれら全てが渾然一体となって合わさってめちゃくちゃ恥ずかしいものになってしまった。藤本タツキが「架空の妹」を騙って呟いてるアカウントも、このアニメをひらがなの片言で実況してるのを見たら「痛いな」と思ってしまいました(好きな藤本タツキにこんな事思いたくなかったけど)。この際だからイーロン・マスクの影響でアカウント凍結された時に「藤本タツキ」のアカウントにした方がよかった気がする
第7話は姫野とデンジのゲロキスの回でEDは、あのちゃんと真部脩一の『ちゅ、多様性。』で映像はサビがゲロキス。姫野のゲロキスは序盤で盛り上がったところなのでフューチャーするのは当然だと思うんだけど、この曲は「一つ一つは好ましい要素なのにも関わらずそれら全てが渾然一体となって合わさってめちゃくちゃ恥ずかしいものになった」という本作を煮しめた感じがあった(あのちゃんも真部脩一も好きなのに合わさった結果はずかしくなるのが悲しかった)。あと誰も悪くないんだけど、相対性理論の曲じゃなく「あのちゃんx真部脩一」の曲という部分が、サブカル業界のオッサン達やアニメ業界がよってたかって、やくしまるえつこにまとわりついて味がなくなるまで彼女をしゃぶり尽くして現在では見向きもしない現状を思い出させて嫌な気持ちになりました。真部脩一は抜けたから仕方ないんだけど本家の相当性理論やまるえつじゃなく、現在の昇り龍あのちゃんに理論っぽい曲を歌わせるのも「あのちゃんも数年後には見向きもされないんだろうな」と思わせられて嫌な感じ
★あと作者や登場人物の映画好きを反映して、デンジやアキが『キル・ビル』『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』という「今年から俺は映画好きって事にしよーっと」と思った大学一年生が好きになってポスターを壁に貼りそうな映画のパロディをイラストにした特典の収納BOXを作ってるのがヤバいほど恥ずかしかった(だけどOP映像は『ビッグ・リボウスキ』『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』『貞子vs伽椰子』など、全体的にいいチョイスだった。単純にOPとグッズでは作った人が違うのだろう)
★放映前に嫌な予感はしたと言ったけど永遠の悪魔になったら面白くなるだろうと思ってたけどダメで最後までダメだったので、もうレゼ編、世界の刺客編、支配の悪魔編ぜんぶダメだと思う。想定ほど人気出なかったので反省してメリハリある演技や映像にしてエンディング曲も一曲にしてほしい。とにかく大学生がサークルや学園祭ではしゃいでるような浮かれムードをやめてほしい
さっきも言ったがゲロキスの回が本作の恥ずかしい要素が凝縮されてて、自分は恥ずかしかったんだけど若いアニメファンは「だ、誰がここまでやれと言ったァ~www」等と盛り上がってたので大学生とかには面白かったみたい。むしろ中年なのに好きな少年漫画のアニメ化まで全部観て文句言ってる自分の方が痛い気すらしてきた。飼ってる2歳の猫の兄妹にもデンジとパワーとまで名付けて……。次のレゼ編以降は頑張って観ないようにしようと思う
でも絵もきれいだし漫画が苦手でアニメでだけ観てる人は面白いのかも?
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