群青

チェンソーマンの群青のレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
3.2
原作はリアルタイムで読破。
前作ファイアパンチ同様、ハードな世界観、頭のネジが外れたようなキャラクター、シリアスな笑いをより商業誌用にアップデートさせた快作だった。

人気作のアニメ化なのでかなり力が入っていた。抑制された雰囲気は賛否両論らしいが個人的にはとても良かったと思う。
抑制されているがゆえ、シリアスな笑いのパンチがより効いているのではないか。しかしそのパンチ自体が少し弱い気もする。もっと外し外しでよかったかもしれないし、写実的な演出に引っ張られすぎたかもしれない。まあでも許容範囲内。

普通の生活を望むデンジと周りを引っ掻き回すパワー、そんな二人に翻弄されながら生活を共にする早川アキ。この3人の構図を擬似家族へと繋げるための12話だった。

そのきっかけでありドラマとして仕上げていくためのキーパーソンが姫野先輩。彼女が魅力的でなければ後半の推進力にならない。
演じた伊瀬茉莉也は果たしてその仕事を完璧にこなしたと思う。酔ってデンジを部屋で襲うくだりは原作でもマジか…マジですんのか?とドギマギしたあの感覚を思い出させた。もー…もー…牛!の言い方とかもう最高でした。ありがとうございました。

お膳立てが完璧であればあるほど後半の展開の痛みと喪失、リベンジへの盛り上げは十分。最終話はしっかりその溜飲を下げてくれるので良かった。
しかしこの姫野先輩含めたついさっき出てきた魅力的な味方キャラクターたちの顛末こそが、チェンソーマンがチェンソーマンという漫画だといえる所以になっていくのが面白い。
まだまだ序の口なんですよ、この漫画は…笑


次回作の布石もしっかり打ってある。

レゼ編も切なくてZ級アクション映画オマージュもあり面白いがその次からが……


まだこの扉は開けない………
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