Train

∀ガンダムのTrainのレビュー・感想・評価

∀ガンダム(1999年製作のアニメ)
3.7
あと少しで21世紀に突入するというのにオープニングの滲み出る昭和感よ。聞いてる内に好きになったけど。

宇宙世紀、アナザーシリーズ、全てのガンダム史を総括するという設定の作品。ガンダムらしくないのににも関わらずガンダム最高傑作と評された作品。

最後のセル画のガンダムでもある。『SEED』の3年前の作品とのことだけど、3年であんなにも変わってしまうのか。なんか時代の移り変わりを見た気分。

主人公が同族と戦う設定こそ『SEED』だが(後続作品だからあっちが真似たんだども)全然戦争してる感じがしない。人が死ぬ場面が少ない。
戦ってる最中もキャラクターはかなり悠長な事を言ってたりもする。後半はともかく前半は、ケーキ作りに四苦八苦するパン屋や農地を守りたい農家など戦争とは無縁の人々の暮らしにフォーカスされている印象。似ている作品を挙げるなら『この世界の片隅に』。雰囲気からして従来のガンダムとは全然違う。牧歌的というべきか。その他にもカッコ良さよりも機械的合理性を追求したシド・ミートがデザインしたモビルスーツなどあらゆる面でケレン味溢れる、唯一無二のガンダム作品となっている。

しかし、それが面白さに直結してるかと言われれば正直...

前半は毎度毎度独断専行したミリシャとディアナ・カウンターの後始末に追われる話を繰り返してるだけ(さらに無理くり)なので何話も見続けるのは流石にしんどかった。盛り上がってるくるのはディアナ様がクーデターに遭う回辺りだがそれまでにかなりの話数を要する。ディアナ様とキエル嬢以外ほぼ内面に変化ないのでぶっちゃけドラマ面もうーんといった感じ。

てな感じに個人的にはガンダム最高傑作とは思わなかったけども、最終回のラストは菅野よう子作曲の【月の繭】も相俟ってかなりジーンと来るものがあったので良作には思えた。(我ながらチョロい)

因みにモビルスーツ戦で燃えたのは「このターンXすごいよォ!さすが∀のお兄さん!!」とか「ユニバァァァス!!!」とかの迷言が多発したセミファイナルのスモーとターンX戦。
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