たろいも

大正オトメ御伽話のたろいものレビュー・感想・評価

大正オトメ御伽話(2021年製作のアニメ)
4.2
レビューを書くか悩んだのですが、ついエピソードが気に入ってしまったので書くことにしました。

家族に見捨てられて育ち悲観的になっていた主人公が、侍女兼嫁として来たヒロインと出会い、天真爛漫で献身的な彼女に支えられて、人と接する温かみを知っていくという物語。
ところどころで巻き起こる事件にもめげずにより一層絆を深めていく二人の大正らしい距離感がとても魅力的でした。

大成したラノベに「わたしの幸せな結婚」という作品がありますが、こちらと世界設定は似ていると思います。(こちらは2023年7月に放映予定)まぁ女性に人気のある世界観のため多少似ることもあるでしょう。袖すり合うも多少の縁だと思います。

予算の都合のためか少しアニメーションとしての映像表現が乏しい所があり、それにところどころ話が間延びした所もあります。ですがこの作品には何よりもが素晴らしいところがあります。それは物語に終始、優しい雰囲気と愛情が感じられるところです。

本作では家族と打ち解けたり、近所のこどもや旅芸人と出会い触れ合うことで「外と繋がり誰かに必要とされるような人間になる勇気と素晴らしさ」と「支えたり支えられたりしながら成長していく二人」が描かれています。厳しい世界でもめげずに純粋な二人が歩む姿は見ていてとても応援したくなりました。

丸顔で花のような笑顔を見せる可愛らしいヒロインはとても健気で気立てが良く、最初から最後まで素敵でした。常に笑顔を振りまき傍目でもとても元気をもらえて、性格は芯が強く、主人公を信じぬこうとする意志の強さも兼ね備えています。また時には嫉妬心を自省する素直さも持ち合わせた良い子でした。
主人公の性格の暗さは時にくどく感じることもありましたが、臆病ながら葛藤や助けたいという意思の強さも感じさせてくれる押しなべて良い人格の持ち主でした。

繰り返しになりますが、この作品は終始優しい笑顔に満ち溢れているのが良い所です。この作品の名前を思い出したときには必ず登場人物みんなの笑顔が真っ先に思い浮かび観た人もつい笑顔になってしまう。そんな温かみを感じられた良い作品でした。

桔梗の花言葉は「変わらぬ愛」と「誠実」

私のお気に入りです。
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