映画初心者

鬼滅の刃の映画初心者のレビュー・感想・評価

鬼滅の刃(2019年製作のアニメ)
4.0
初見の時はスマホ観賞だったので、地上波でもう一度観賞してみました。

まずは絵について。

スマホだと立志編の良さが分からなかったけれど、テレビで観るとこんなに映像凄かったんだ!と感心。
しかしカメラワークを動かしすぎて(フォローパンってやつなのかな?)演出が強すぎると感じた部分もありました。
劇場版も地上波で再観賞しましたが、そちらはそんなこと感じなかったので
やはり劇場版の方がクオリティは高いのだと思う。

線の太さや、キャラクターの顔が濃い部分は私好み。
CG技術以前にアニメーターさん達の絵が上手いんだなと感心してしまいました。
この上手さに関してはジブリに匹敵すると思った。世界観がよく作られている。

戦闘漫画×ufotableのアニメーション技術の相性がとても良かったし
那田蜘蛛山での爆血とヒノカミ神楽のコラボレーションの映像美は最高だった。(ここに関しては☆5)


続いて、作者の吾峠呼世晴について。

吾峠呼世晴は自分の世界観というか、創りたいものがしっかり決まっている人だと思う。
しかし、それを表出するのは苦手なのかな?

劇場版を観たあとに漫画も読んだのだが、モノローグが多かったり、おまけページで裏設定を書き過ぎているように感じた。

今までのジャンプの王道の流れをやっているとは思うが
ここまであからさまに"流れ"を感じたのは初めてだった。
でも思い返せば今まで好きだった作品も同じ流れだし、私が大人になってしまったのか?
それとも吾峠呼世晴が流れを上手く隠せていないのか?

とにかくアニメでもそこは気になってしまう。
絵で表現出来ない部分をキャラクターが喋りすぎ。説明台詞が多過ぎ。

唯一良いと思ったのは響凱(太鼓の鬼)との対決シーンで、
「俺は長男だから!…」的な長台詞。
他は基本的にただ思ったことを喋っているが、ここに関しては『そう思っているのではなく、そう思いたい』という意味に受け取れた。(作者の意図はそのまんまかもしれないが。汗)


私はどうしてもそういう目線で観てしまったが
鬼滅は多分教育アニメとして観ると成功していると思う。

細かい設定や辻褄は気にせず、
子どもにも分かるように説明を入れて、スローテンポで
道徳の教科書のような、模範となるようなストーリーで

深夜アニメらしいグロさ怖さはあれど
子どもに人気が出る内容だった事が大ヒットとなる要因だったと思う。


最後に、声優陣。

鬼滅ラヂヲの花江夏樹と下野紘を聞いていると、この二人が炭治郎と善逸なのは凄く納得できた。
キャスティングがハマっていると思う。

だがそれ以上に松岡禎丞。
あまりよく知らないのでファンの間では今まで通りなのかもしれないが、
私の想像する松岡禎丞から伊之助は程遠くて、あの人が演じているのかと思うと、声優って凄いなと思った。笑


絵のクオリティと声優のクオリティから、何度観ても楽しめる作品になっていると思う。
吾峠の分かりづらい作風でも、アニメのクオリティが高いなと思って、漫画も読んで、ラジオも聞いて、色んなものを経てもう一度アニメを観ると内容がすんなり入ってきた。

鬼滅の刃はアニメ化したからこそ成功した作品と言えるだろう。
映画初心者

映画初心者