このレビューはネタバレを含みます
柱稽古編なんて成立するのだろうか。なんて思っていたが、序盤でアニオリを入れながら今まで登場回数の少なかった柱の過去や想いを縁取って、無限城編に向けた下地作りができていた。稽古の過程をしっかり描くのは少年マンガらしいとも言えるが、鬼滅の刃ではそこでの成長が伏線になっていたりもするから実は見逃せない。
とはいえ、中盤はどうしても停滞。とにもかくにも劇場版クオリティの8話が見所であることは間違いない。
まず、産屋敷家の爆破がオッペンハイマー級で驚くわけだが、CM後のアイキャッチに笑顔の産屋敷家が挟まれていて素晴らしい。泣きながら登場する悲鳴嶼さんの凄まじい暴力性は今回ティザー的にしか観られないものの、それでも昂るものがあった。
個人的には、無限城に落下する善逸の覚悟を決めた表情が痛く気に入った。いつも一服の清涼剤でしかない大正コソコソ噂話も、闇の奥から煉獄さんの声が聞こえてくる演出(そして作画も変わる)となっていて、いよいよクライマックスという感と共に、キャラクターや作品への愛も改めて感じた。