一生夏休みしたい

ブルーピリオドの一生夏休みしたいのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーピリオド(2021年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

天才と凡人。才能と努力。光と影。
主人公の八虎はこの両方を持っていて、作中でも常に物事の表裏が表現されていました。
私が見ている世界。私が知っているあの人。私自身。同じ景色を見ていても、どこに焦点を当てるかで違ってくる。どこから見るかで、自分の世界が広がると思いました。
見方を変える=捉え方が変わる=世界が広がる
芸術は世界を広げてくれるものなのですね。元々、芸術や絵を描くことは好きですが、もっともっと好きになりそうです。

そして何より佐伯先生が良い!!
名言だらけです。
「好きなことに人生の1番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか」
このセリフは喰らいましたね笑
大人になるに連れて、失敗しないように、失敗した時に言い訳をできるように、何かを始める時に大きな理由が必要な気がしていました。周りからも何で?って聞かれますしね。周りを納得させる為だった理由が、いつしか自分の中での予防線や言い訳になったりもしてきて…。何だかんだで、人が動き出す理由はいつもシンプルで"好き"って気持ちなんですよね。考えるな、感じろってね笑

ここからはまた独り言みたいな感じですが…
八虎は最初、誰とも本音で向き合えない、偽りの自分みたいな感じで生きていて、それが絵を描くことを通して変わっていった感じでした。しかし、後半の恋ちゃんとのシーンで、初期の八虎のそういった部分を周囲、少なくとも恋ちゃんは分かっていた様子でした。つまり、誰も本当の八虎を分かっていなかった訳ではなく、八虎自身が壁を作っていたと言えます。
・壁を作っているから、本当の自分を理解していないと考えてしまう
・本当の自分を理解してくれないと感じているから、壁を作っていた
物事には大体、鶏が先か卵が先かみたいな部分があるので正確には分かりませんが、楽しいことだけを一緒にしていると、その人の陽の部分しか見えないので、陰の部分が見えにくくなります。そうなると、何となく自分の悩みや憂鬱を理解してもらえないと思って、少し壁を作ってしまったり、逆に壁を感じたりするのかもしれません。
人と繋がるって難しいですよね。でも、(最初の話に戻るのですが)ここで、違う視点から見ることが出来れば、相手の陰の部分にも気づくことが出来ると思うんです。美術、芸術が「文字じゃない言語」といのも頷けます。

ごちゃごちゃ言いましたが、結局のところ、自分を見せるしか人と心から繋がる方法はないような気がします。相手の陰の部分に気づけても、まず自分の陰を解放しないことには、相手は陰を見せてはくれないと思うんです。「自分を見せる」シンプルなことですが、私達自身が難しく考えすぎて複雑化しているような気もします。
モヤモヤした時、考えがまとまらない時、複雑に考えすぎてる時こそ、原点回帰でシンプルにいきたいな。

あと、「好きなことをする努力家は最強」佐伯先生の好きなセリフの1つで、激しく同意した言葉ですが、私努力家じゃないんだよなぁぁぁぁ。自分で胸を張って努力家だって言えるようになったら、私は最強〜って歌いたいな笑
情熱。

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