ねっしー

ロザリオとバンパイアのねっしーのレビュー・感想・評価

ロザリオとバンパイア(2008年製作のアニメ)
1.0
[原作未読]


物語の構成力が非常に低いです。

基本的に一話毎にヒロインか単純な敵役が出てくるというテンプレートを繰り返しているだけで、構成がニチアサの戦隊物と同レベルです。


作品としては、妖怪の学校に人間の主人公が入学することで、妖怪と人間の垣根を超えた交流を描きたいのだろうと思います。

しかし、主人公が人間なのを最終回までメインヒロイン一人しか知らないため、そのような葛藤がほとんど語られていません。


それに起因して、主人公が人間である理由もなくなっています。

なんなら主人公を人間にしたせいで、メインヒロインの封印を毎回解く必要が出ており、私には主人公の存在が不要に思えました。

封印を解くのも、ずっと事故でロザリオを外す演出なのがうざいです。
ヒロインの合意を得て力を解放させる方が、主人公との絆を感じさせることができるのではないでしょうか。

他者の異能を勝手に使う、という行為を深堀りする作品も多々ある中で、この演出は考えが足りないと言わざるを得ません。
本作の演出だと、先っぽが入っちゃったけど事故だから別にいいよね、って感じです。それは強姦です。


話を戻しますが、主人公が最弱の場合には、精神的な支柱や並外れた知力などといった、他キャラとの差別化を行うのが一般的です。
にも関わらず、この主人公はわずか3話目にしてメインヒロインから新ヒロインを助けるべきだと諭される始末です。

身体的に弱い、頭が悪い、精神力が低い。現実社会にはこういった人間は多数います。
妖怪の学校という、周りが超ハイスペックな環境で、そんな主人公がハーレ厶を築く物語を作れたら、希望のある面白い話になるはずなのですが、全然そんな物語になっていないんですよね。

総じて、この作品はまだラフの段階という感じです。
これから作品になる素地の状態です。


このレベルの改善って、原作の出版前に編集者がする仕事じゃないのかな?
原作はもっとまともなのでしょうか。素人の私でも改善案を出せそうなのに何してるんだろう。


今までの内容は原作の段階から問題だったのかなと思う話ですが、アニメーターにも手抜きを感じます。

構成の比較に出したニチアサでは、過去作のヘリテージを活かした演出、一年を通してのキャラクター(と若手俳優)の成長、スポンサーの意向のチラ見せなどなど、大人が観ても面白い要素を巧く散りばめているんですよね。
だから、数十年の歴史を重ねてなお人気があります。

一方の本作はそういった面白くさせる工夫の一切を放棄しています。
つまらないのは当然です。

もっと言うと、5話程度までは態とメタ要素を増やして、解説を入れていたので寒かったです。
敵との戦闘時間を毎回報告してくるのとか、笑いのセンスがなさすぎます。

不評だったのか後半はメタ要素が一気に減りました。


他にも敵キャラが人間を嫌う過去を視聴者に伝えるべきだったり、明確な犯罪(監禁、洗脳、強姦未遂、恐喝、傷害、盗撮)を犯した生徒・教師が普通に再登場している謎だったり……









まだまだあるけど、指摘できることが多すぎるので終了。
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