沙那王

メイドインアビス 烈日の黄金郷の沙那王のレビュー・感想・評価

4.0
村の言語が分からず、ちんぷんかんぷんで消化不良だった原作。
アニメになり、カジャの言葉が分かり、イルミューイのヌルヌルした動きに驚き、何より村の壁面のマーブルカラーに息を飲んだ。
時間の流れ、回る時代、巡る魂。
言葉や映像で伝えられないレベルの現象を、疑似体験させてもらえた✨
生まれたら生き続けていく、ということ。
自らが選択するということ。
価値だけに囚われていては内面の成長が滞るのではないか?と思わされた。
思いを伝える『コトバ』の成り立ちにも興味しんしんでした💡村には漢字みたいのも存在する。

なんだか、あの村が日本にも思えてきた。
まず、もう子供が生まれない。世代交代がない。人口が減り国を支えられなくなって滅びを待つ感じ。
イルブル(村、母)を蝕む村人。
日本も、過去の叡智に頼って今をしのいでるけど、もう土地の力も喰らい尽くしたというか、耕作地も減り耕す術も忘れて民族を団体として維持する力は尻すぼみかと。
ヴェコは元奴隷娼婦で、脱出してワズキャンたちと冒険に出た。
子孫繁栄を願う行為が、いつしか一瞬の快楽だけを求める産業と化す。情けないよね。

現状、日本で養育されていても教育の不十分な残念な大人が増えてきたように感じる。
一瞬の快楽の結果かな。
読み書き算数だけじゃない。人間力が足りない。
私の職場には、計算は出来ても人情が無い上司が居るし、じゃれてふざけてキャッキャして、依頼された6割も仕事をこなさない30歳女子社員とかが居る。
ぬくぬくと、楽して給料もらえればラッキーみたいな。
パートタイマーが社員をサポートしてて最低賃金w

生きていく、って、そういうのじゃないんだよな。
仕事だけに限らないんだけどさ。村(母の胎内)から自力で卒業しなきゃ!って気がつかないとダメだよな。
自分が襟を正して真剣に『冒険』してないと『信頼』は得られない。信頼が無ければ生き続けられる保証は無い。

リコ、レグ、ナナチ、プシュルカの信頼関係は素晴らしい✨
アビスの登場人物すべてが愛おしい。

生きていく、それは冒険。
沙那王

沙那王