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メイドインアビス 烈日の黄金郷のこんにちはのレビュー・感想・評価

4.8
この作品は究極的な「愛」の物語なんだと思う
ヴエコによるイルミューイへの愛、ファプタによる母への愛
ガブールンによるファプタへの愛、ナナチによるミーティへの愛
プルシュカによるリコへの愛、ボンボルドによる博愛+etc
つくしあきひとはこの多様な愛の形を繊細に描き切っているのが凄すぎる

天才だと感じるポイントはいくつもあるが2点だけ紹介する
まず一つ目に「価値」の概念を階層化している点だ
私たちは当たり前のように、何かを比較する際どっちのものの方が価値があるのか瞬時に分かる。しかしそれを表す言葉は日本語には存在しない。それをオリジナル言語を利用し、このイルブルのテーマに紐付けているのが凄い。

二つ目に絶望的な状況での倫理観の欠落とその先に起こる事象
これに関しては第7話以降を見てもらえれば分かるが、倫理観が崩壊した人間・崩壊せずに耐え抜いた人の運命。この描き方は天才すぎた。

正直ここまで心抉られるダークファンタジーは初めて観た。
そこらのファンタジーとは一線を画してクオリティが違いすぎる。

あと久野美咲さんはキャリア最高到達点を叩き出したと思う。